中央アルプスで木曽駒ケ岳に登ったら、次に登りたい山はやはり「宝剣岳」でしょう。鎖場のある急峻な岩場なので緊張を強いられますが、山頂に到達した時の達成感は半端ないです!木曽駒ケ岳に登った次の日に行ってきたのでレポします。
宝剣岳の概要
中央アルプスにある宝剣岳は、標高2,931mの岩峰です。北に位置する標高2,956mの木曽駒ケ岳が百名山で有名なこともあり影が薄いのですが、千畳敷カールからも見ることができ(上の画像の真ん中あたりの一番高い山)、ゴツゴツとした岩肌が特長です。
木曽駒ケ岳が女性的な山容と例えるなら、宝剣岳はまさしく男性的な山と言えるでしょう。北稜には「天狗岩」という面白い岩もあり、眺めていて飽きることがありません。
宝剣岳の難易度
宝剣岳は大きな石を積みあげたような岩峰で、過去に何度も滑落事故が起こっており、中央アルプスでは唯一「山岳ヘルメット着用奨励山域」となっています。行くときは必ずヘルメットを持参しましょう。
鎖場が至るところにあり、三点支持での慎重な登攀が求められます。岩場に慣れていない人は、ガイドと一緒に登るなどして、無理をしないようにしましょう。岩場に登ったことがない人はやめたほうがいいです。
混雑する時はすれ違いに注意し、お互いに譲り合う精神で登りましょう。
高度感がかなりあるので、高所が苦手な方は一考したほうがいいでしょう。
山頂は人が1人立てるだけの巨石なので、躊躇するくらいなら登らないほうが無難です。
とは言え、全体的に足場は安定しており、ロープや鎖が山頂まで丁寧に張られているので、思ったほど恐怖感はありません。
宝剣岳のルート
① 千畳敷~乗越浄土~宝剣岳コース
千畳敷から八丁坂を登り、乗越浄土(北稜)側より反時計回りにアプローチするコースです。1ヶ所切れ落ちているトラバースがありますが、鎖があるので難易度はそれほど高くありません。宝剣山荘から山頂までの所要時間は20分です。
② 千畳敷~極楽平~宝剣岳コース
千畳敷の左側から極楽平に向かって進み、遭難の碑(南陵)より時計回りにアプローチするコースです。遭難の碑から山頂までの所要時間は50分です。ほぼ垂直な鎖場があるので、難易度は高いです。
①と②は、千畳敷起点で宝剣岳を通って周回してこれますが、南陵の急峻な岩場を上りで使うか下りで使うかによって難易度が違ってくるかと思います。
③ 宝剣山荘からピストンで宝剣岳に登るコース
宝剣山荘に荷物をデポして宝剣岳を登り、同じルートを戻ってくるコースです。木曽駒ケ岳に登ったついでに寄って行く感じです。身軽に登ることが出来て、所要時間も短いので比較的楽に登頂できます。
予想外に楽しかった宝剣岳ピストンコース
私は③の、宝剣山荘からピストンで宝剣岳に登るコースで登頂しました。岩場は何度かやったことがありましたが、本格的な岩稜登山は実は初めてでした。
2019年9月中旬、初日に木曽駒ケ岳に登り、宝剣山荘に宿泊。2日目の早朝に荷物を山小屋にデポし、ヘルメット着用でいざ出発!
1日目の木曽駒ケ岳の登山レポは、下のリンクからどうぞ!
宝剣岳への登山口は、宝剣山荘の目の前です。最初はなだらかな石がゴロゴロした道を歩いて行きます。
前を歩く方達は、宝剣岳を超えて空木岳に向かうそうです。上級者コースですね!
登山道にはロープが張られているので、道迷いの心配はありません。
いよいよ岩場に突入です。両側にロープがあるのでコース取りに迷うことはありません。危険な場所には鎖があり、斜度もそれほど急ではありません。石は花崗岩で出来ており、崩れる心配はほぼありません。
肝心なところは写真を撮る余裕がなく、3点支持で必死で登っています(^^; 下を覗くとV字谷です。高度感はすごいです!もしここで足を踏み外したら、かすり傷では済まないでしょう。
山頂に到着です。皆さん、写真撮りまくりですね!面積はそれほど広くないので、お互いに譲り合いながら、短時間での滞在になるかと思います。
宝剣岳の最高峰は1枚岩の巨石です。裏側から登ることが出来ますが、私は怖くて登れませんでした。
石に隠れて祠が祀ってありました。帰りも無事に下りられますように!
最高の天気!西の方向には最高の御嶽山!手前の山は、木曽前岳です。
南のほうに目をやると、極楽平~檜尾岳~熊沢岳~空木岳が一望できます。
この日も遠くに富士山が見えました!大展望の宝剣岳は、木曽駒ケ岳とはまた違った中央アルプスを体感させてくれました!
素晴らしい景色を堪能したら下山します。名残惜しや…。
宝剣岳の裏側(西側)の切れ落ちたトラバース部分です。鎖にしっかり掴まり、足の置き場に注意して、横歩きで進みます。踏み外したら大変なことになるので緊張する場所です。
まとめ
宝剣岳に登る前は「本当に登れるだろうか?」と不安でしたが、実際に登ってみたら意外と順調に行けたのでホッとしました。帰宅後、両腕が筋肉痛になってしまいましたが、アスレチック感覚で楽しく登山でき、これがきっかけで岩場大好きになってしまいました!
もちろんコース、天候、風速、時間によっては最大限の注意を払うに越したことはありませんし、状況によっては断念することも必要です。
もし、木曽駒ケ岳登頂後のヘロヘロ状態で登っていたら、途中で力尽きていたかも?早朝の一番体調のいい状態で登ったからこそ、集中力もあり、足も上がったのだと思います。
どんな山でも無理は禁物です。ゆとりのある登山計画、登山装備で楽しく山登りしたいですね!
コメント
[…] それぐらい厳しい坂登りだった。写真の後ろの石・岩の坂に登る?せめて乗越浄土までは行きたかったが止めて正解。 […]
コメントありがとうございます。紅葉の時期に行かれたんですね!千畳敷カールを巡るだけでも素晴らしい風景に感動してしまいます。木曽駒ケ岳は本当に素敵な山ですね。