【お花を探して】シリーズは、お花好きのハイカーさんに是非見ていただきたい記事となっております!どんなお花がいつどこで咲いているのか知りたい方は必見です。今回はシラタマホシクサです。東海地方の湿地にのみ咲くお花で、白くてまん丸な姿が金平糖に似ていることから金平糖草とも呼ばれています。愛知県豊橋市の葦毛湿原と、静岡県浜松市の静岡県立森林公園で見てきましたのでご紹介します。
シラタマホシクサの生態
シラタマホシクサは日本の固有種で、東海地方(愛知、静岡、岐阜、三重)の湿地にのみ咲く一年草の花です。分類は単子葉類ホシクサ科で、環境省の絶滅危惧Ⅱ類(絶滅の危険が増大している種)に指定されています。三重県ではさらに厳しい絶滅危惧Ⅰ類(絶滅の危機に瀕している種)となっています。シラタマホシクサは咲く場所が限られているため、普段あまりお目に掛かれない花なのです。
【特徴】花茎の先端に直径1 cm程度の小さな花を付け、白色の短毛が密生して白い玉のように見える。一面に群落していると白いホタルが乱舞しているように見える。背丈は20-40 cm程度まで伸び、葉は線形で長さ14-20 cm、幅1-3 cm。頭花は多数の小花で構成され、雄花と雌花がある。花期は8月下旬-10月。晩秋になるまで白い金平糖のような花が見られ、「金平糖草」とも呼ばれる。
wikipedia
シラタマホシクサはどこにいけば見れるの?
シラタマホシクサは鉄分の多い酸性土壌の湿地に生えます。主な生息地は愛知県豊橋市にある葦毛湿原です。葦毛湿原は国指定天然記念物であり、花の百名山でもあります。山じゃないのに花の百名山になっているなんて驚きですね!ほかにも愛知県森林公園、静岡県立森林公園、岐阜県瑞浪市の黒の田東湿地でもシラタマホシクサを見ることができますよ。開花適期は9月~10月です。
葦毛湿原(いもうしつげん)
葦毛湿原は豊橋市東部にある弓張山地の山麓に広がっている湿原です。土壌が薄く、山から流れ出ている水が地表面を常に潤しており、東海地方特有の植物、北方の寒地系植物、南方の暖地系植物が混在して自生している特殊な湿地です。
【東海地方特有の植物】ミカワバイケイソウ、ミカワシオガマ(絶滅)、ミカワシンジュガヤ、シラタマホシクサなど。
【北方系植物】ミズギク、ミカヅキグサ、ヌマガヤ、イワショウブなど。
【南方系植物】ミミカキグサ類、ミカワシンジュガヤなど。
シラタマホシクサは説明看板から入って右側にたくさん咲いていますよ。
葦毛湿原で見られる秋の草花
他に、サワシロギク、ナンバンギセル、スイラン、ホソバリンドウ、ウメバチソウなどが咲いています。
葦毛湿原観察の5つのマナー
湿原は植物、動物、昆虫、気候等の微妙なバランスのもとに維持されている環境変化に弱い存在です。将来にわたって良好な状態を保持していくために、見学者の皆様のご理解とご協力をお願い致します。(葦毛湿原パンフレット|豊橋市教育委員会より抜粋)
●530運動は葦毛湿原を通る豊橋自然歩道の整備に伴って提唱された全国的な運動です。
●自分のゴミは自分で持ち帰りましょう。
●木道を降りて湿原内に入ることは出来ません。
●写真撮影のために三脚を湿原内に入れることは出来ません。
●植物や昆虫などを採取することは出来ません。
●外国産の植物や他地域の植物、園芸植物、昆虫などを持ち込むことは出来ません。
●野生動物に病気をうつさないために、また、ダニやヒルにペットが襲われないように、ペット連れでの見学はご遠慮ください。
葦毛湿原に限らず、他の施設においても動植物の保護に関しての禁止行為はほぼ同じです。昔から絶滅危惧種の盗掘は後を絶ちません。これ以上絶滅させないためにも、ルールを守って見学したいものですね。
アクセス
【所在地】愛知県豊橋市岩崎町長尾
【高速道路】豊川ICより40分、浜松西ICより40分
【バス】JR豊橋駅より、飯村岩崎線赤岩口行き「岩崎・葦毛湿原」下車、徒歩15分
【路面電車】JR豊橋駅より、赤岩口行き「赤岩口」下車、徒歩40分
【無料駐車場】第1第2駐車場(80台)、豊橋駅より20分
【開園時間】24時間
【開園日】無休
【入園料】無料
駐車場から湿原までは徒歩で15分ほどかかります。トイレは途中の長尾池付近にあります。湿原は日影が少ないので、暑い時期は熱中症にご注意ください。ベンチなどの休憩所はあります。湿原の奥に湖西連峰への登山口があり、登山と組み合わせたコースも人気ですよ。
愛知県森林公園
愛知県森林公園は、愛知県尾張旭市と名古屋市守山区にまたがる県立のレクレーション施設です。約428ヘクタールの広大な丘陵に、様々なスポーツ施設がある運動公園のほか、一般公園、植物園(有料)があります。
シラタマホシクサは植物園(有料エリア)いこいの森C湿地で見ることができます。
愛知県森林公園で見られる秋の草花
ホザキミミカキグサ、サワヒヨドリ、アレチヌスビトハギ、キセルアザミなどが咲いています。
アクセス
【所在地】愛知県尾張旭市大字新居5182-1 電話番号 0561-53-1551(代)FAX番号 0561-53-4414
【高速道路】守山スマートインターから5km約15分、名古屋インターから約30分、名古屋第二環状自動車道大森インターから約20分
【バス】①名鉄瀬戸線「三郷」駅から尾張旭市営バス「三郷駅北」より約13分、森林公園正門まで徒歩約30分。②「尾張旭」駅から尾張旭市営バス「尾張旭駅」より約17分、植物園南門まで徒歩約25分。
【電車】JR中央本線「高蔵寺」駅から徒歩約60分(タクシーで約10分)
【無料駐車場】第1駐車場 609台(身障者用8台)開門時間:7:30~17:30 ※夏期7:30~18:00。第2駐車場 300台 開門時間:8:30~17:30。運動施設駐車場 374台。
【開園時間】 午前 9:00〜午後 5:00 入園受付:午後 4:00まで ★ 東門のみ7月20日~8月31日午前8時から開門いたします。
【休園日】月曜日、年末年始(12/29〜1/1) ※ 月曜日が祝日・休日の場合は、その翌平日が休業日
【入園料】大人1名 220円/中学生以下無料/団体割引30名以上:大人1名200円
静岡県立森林公園
静岡県立森林公園は、浜松市浜北区にある県営の緑豊かな公園で、天竜奥三河国定公園にもなっています。面積約215ヘクタールの森林内には、天然のアカマツ林、1,000種類以上の植物、約80種類の野鳥が確認され、四季折々の変化を楽しませてくれます。秋の湿地にはシラタマホシクサをはじめ、ホザキノミミカキグサも咲いています。散策はもちろん、広場でのレクリエーションやスポーツ広場でのデイ・キャンプ、木工体験館では木工作を楽しむことができます。
よく歩かれているルートは、森林公園の中心「バードピア浜北」からスポーツ広場までの往復1時間コースです。バードピア浜北では、園内マップや今咲いている草花の情報が入手できます。マップ片手に東海地方でしか見られない草花などを中心に探してみてはいかがでしょうか?
ちなみにシラタマホシクサは「三番池湿地」に咲いています。
静岡県立森林公園で見られる秋の草花
他に、ヒメキンミズヒキ、ヒメヤブラン、ホザキノミミカキグサ、ミミカキグサなど。
アクセス
【所在地】静岡県浜松市浜北区尾野2597-7
【高速道路】新東名浜松浜北ICから15分、東名浜松ICから40分、東名浜松西ICから40分。
【バス】①浜北コミュニティバスの大平堀谷線(運行日は火・金曜日。日曜と12/29〜1/3は運休)の堀谷行に乗車、「森林公園北口」下車。バードピア浜北まで徒歩10分。②浜北コミュニティバスの赤佐中瀬線(運行日は水・土曜日。日曜日と12/29〜1/3は運休)の上島区民センター行に乗車、「岩水寺」下車。バードピア浜北まで徒歩25分。詳細は浜松バスへ。
【電車】①天竜浜名湖鉄道、岩水寺駅、または宮口駅から徒歩約50分。(宮口駅はタクシーが常駐していないので、事前に配車手配をしてください)②遠州鉄道または天竜浜名湖鉄道、西鹿島駅からタクシーで約10分。(西鹿島駅はタクシーが常駐していますがご自分でご確認願います)
【無料駐車場】P1~P8 500台
【営業時間】入園自由(ビジターセンターは9時00分~16時30分)、無料
【定休日】無休(ビジターセンターは水曜休、祝日の場合は翌日休、12月29日~翌1月3日休)
公園と言っても濡れると滑りやすい木道や、段差のある階段があります。ゆるいですがアップダウンもありますので、しっかりとした服装、運動靴(登山靴が望ましい)、飲み物を準備して歩いてください。
黒の田東湿地(くろのたひがししっち)
黒の田東湿地でもシラタマホシクサを見ることができます。黒の田東湿地は、岐阜県瑞浪市稲津町にあります。屏風山の南東部の山腹に位置する湿地で、東濃湿地群の中でも最大の面積を誇り多様な生態系が観察できます。
湿地へは寿老滝から林道を歩くか、屏風山を登った際に寄ることができます。屛風山の登山とセットで観に行かれる方が多いようです。
アクセス
【所在地】岐阜県瑞浪市稲津町
【高速道路】瑞浪ICから車で25分
【電車】JR瑞浪駅からタクシーで20分
【駐車場】寿老滝にあり。歩いて往復約6km(約2時間)
まとめ
今回は東海地方でしか見ることのできないシラタマホシクサをご紹介しました。咲いている場所は私が行った葦毛湿原、静岡県森林公園のほか、愛知県森林公園、黒の田東湿地でも見ることができますよ。
当然のことですが、湿原、植物園内では植物の採取や貴重植物保護区域への立ち入りは禁止されています。ゴミは各自持ち帰る、火は使わないなど、ルールを守って気持ちよい散策を心がけましょう。
コメント