【カリマー】初!軽量ファストハイクザック クリーブ30をレビュー

カリマークリーブ30 山の道具
本記事はアフィリエイトプログラムを利用しています。

2023年春夏に発売されたカリマーの「クリーブ30」は、行動しながらでも素早く快適にアクセスできる操作性と、U.L.(ウルトラライト)を視野に入れて軽量化を実現した、とても使いやすいバックパックです。機動力のある縦走のみならず、初心者の中高山デイハイクや一泊登山にもおススメしたいクリーブ30の使用感をレビューします。

堅牢バックパックから軽量化へ

クリーブ30

イギリス発カリマーのバックパックと言えば、ridgeやCougarApexなど、荷物が多くても安定して背負える堅牢なものが主流でした。ですから、カリマーから軽量なバックパックが出たと知って驚いたのと同時に、ついにカリマーもU.L.に着手したのか!?と嬉しくなったほどです。何しろ昨今のバックパックはウルトラライトが大流行りですからね~。

しかし、そこは老舗のカリマー。不要なものをすべて省いてしまう完全なU.L.を目指すのではなく、従来の「背負いやすく疲れづらい」製品開発のノウハウと新たな機能を装備しつつ、軽量化を実現させたんですよね。

結果、重量はほどほどに軽く、しかも必要な装備は失わず、しいて言うなら「準軽量バックパック」という位置づけのものが誕生したのでは?と私は感じています。

実際に使ってみたところ、その快適な使いやすさは本当でした!歩きながらの操作性がよく、ザックをいちいち降ろしたり担いだりする場面が減りました。しかも従来のバックパックと比べて重さをさほど感じません。見た目もお洒落で気に入っています。

ここでは、クリーブを買おうかどうしようか迷っている方、U.L.ザックを買いたいけど装備は犠牲にしたくない方、既にU.L.ザックを持っているけど使いづらいと感じている方のために、私が実際にクリーブ30を使用してみて感じたことや詳細をレビューしたいと思いますので参考にしてみてください。

優れた性能

カリマークリーブ30

cleave30 Medium / Small

容量30L(本体:約30L ロールトップ:約4L ヒップベルトポケット:約1L)
サイズH52×W25×D24cm
素材本体:N100D X-GLID R/S NY(ナイロン89%、ポリエチレン11%)
副:420D High density NY (ナイロン100%)
重量900g
カラーFeather White、Coyote、 Black(3色)
定価27,500円(税込)※2023年現在
背面長Medium:47cm Small:42cm
使用シーンファストパッキング、中高山デイハイク、無雪期中高山1泊、山小屋泊縦走(1泊)

優れた強度を持つX-GRID R/S生地を使用し、容量調整ができるロールトップタイプ。ユーティリティショルダーハーネスなど豊富な機能を装備し「行動しながらの操作性の快適さ」「荷物の出し入れ・撤収のしやすさ」を目指したリュック。デイハイクから岩場や難路がある登山で機動力がある山行スタイルを実現。

出典:カリマー公式サイト

ここがポイント!30Lのザックで900gという重量は重いのでしょうか?軽いのでしょうか?ちなみに、定番カリマーRidge30+Smallは1430g、大人気ミレーSAASFEE30(ウィメンズ)の重量は1470gです。これらと比べるとクリーブはかなり軽いと言えるでしょう。しかし、U.L.の代表選手、山と道MINI(サイズM)はさらに軽い380gです。無駄を省いて極限まで軽さを選ぶか、多少重くても快適な操作性を選ぶか、安い買い物ではないので悩みどころです。山行日数や行く山域によっても選択は変わるでしょう。大事にしたいのはいかにストレスなく登山ができるかどうかだと思います。クリーブ30の900gは、トータル的に考えると、どちらの要望も叶えてくれる絶妙な数値なのではないかと感じました。

MediumとSmallの選び方ークリーブは2種類の背面長を用意しています。男性や高身長の女性向けのMediumと、女性や小柄な男性向けのSmallがあります。私は身長164cmなのでMediumかなと思ったのですが実際に試着したところ、Smallで大丈夫でした。また、クリーブはショルダーハーネスの形状が普通のザックのものより太めなので、女性の方は気になるかもしれません。私はMediumだとバストに干渉してしまいます。結果的にはSmallがしっくりきました。男性の場合は問題ないと思いますが、女性の方は一度試着してみることをおすすめします。

快適な装備いろいろ

カリマークリーブ30

カリマーのクリーブ30は、「行動しながらの操作性の快適さ」 「荷物の出し入れ・撤収のしやすさ」「軽さ」を合わせ持ったザックです。どのようなところが使いやすくなっているのでしょうか?検証してみたいと思います。

ユーティリティショルダーハーネス

カリマークリーブ30

ユーティリティショルダーハーネスは、行動中に必要なものを荷物を降ろさずに出し入れができるカリマーの新しい試み。つまり、ボトルホルダーやスマホケースなどの後付けが不要になるのです。結果的に軽量化となるので、ここはクリーブ30の重要なポイントのひとつです。チェストストラップはバンジーコードを2本使用。ホイッスルはありません。

2wayのボトルホルダー&ジッパーポケット(右)

カリマークリーブ30

500mlのボトルを収納可能。径の細いボトルでもコードで調節可能なので、飛び出てくることはありません。

カリマークリーブ30

上部のコードを絞ってジッパーを使用すればポケットにもなります。行動食や小物を入れられます。

カリマークリーブ30

モンベルのクリアボトル0.35L(直径7cm)を入れてみました。他に水筒、ペットボトル(600ml)も入ります。

ユーティリティーショルダーWメッシュポケット(左)

クリーブ30

ポケットは2ヶ所!奥のポケットにはスマホなどの薄い小物が入れられます。

クリーブ30

手前のポケットにはマチがついているので、多少厚手の小物も入ります。

クリーブ30

サングラスを引っ掛けたり、虫よけスプレーなども入れられて便利です。

アタッチメントループ

カリマークリーブ30
モンベルU.L.フォールディングポール113(収納長さ36cm)

ショルダーハーネスには左右にアタッチメントループがついていて、ポールを一時的に収納することができます。畳んだ状態でも長いままでもOK!モンベルの長さ36cmの折りたたみポールもいけました。岩場などでポールを一旦しまいたい時に、いちいちザックを降ろさなくて済むのでこれは超便利!

ATTACHMENT LOOP使用方法(カリマー製品タグより抜粋)

クリーブ30

アタッチメントループは手袋やタオルなどの一時収納にも使えます。左右にあるので、使い勝手はいいですね!

ボトムアタッチメントバンジーコード

クリーブ30

ザックの底面にバンジーコードがついていて、汚れたものや濡れたものを挟むことができます。岩場や鎖場などで、ポールを一時的に収納したり、脱いだレインウェアを外付けしたり、使い道はいろいろです。コードでしっかり固定できるので、抜け落ちを防ぐことができます。

クリーブ30

100均で買ったフォームクッションを取り付けてみました。

ボトムジッパーポケット

クリーブ30

ザックの底面には、もうひとつ隠れたポケットがあります。レインカバーを収納したり、ビニール袋やごみ袋、一時的にしまっておきたい小物などに利用できます。ポイントは体側にジッパーがある事。ザックを背負ったままで開閉が可能です。(レインカバーは付属していません)

ヒップベルト&ポケット

クリーブ30

ヒップベルトには両側にポケットがついています。幅広のヒップベルト自体、U.L.ザックにはほぼない機能ですが、クリーブはそこは敢えて装備し、しかもポケットまでつけちゃったんですよね。ここは賛否両論別れる所かもしれません。私は、U.L.ザックのベルトだけのものも持っていますが、正直、ザックが重くなると肩にかかる荷重が増すことは否めません。なので、しっかりと腰を支える幅の広いベルトがあると嬉しい派です。ただ、ポケットはと言うと、ユーティリティショルダーハーネスがかなり充実しているので、無くてもよかったかなと思いました。

クリーブ30

とは言え、ポケットはあるとやっぱり便利です。常備薬や鍵、ハンカチ、ティッシュ類を入れるのに使っています。このおかげでサコッシュの出番がありません(笑) まぁ、ファストハイクにサコッシュは要らないと言えば要らないような~。

クリーブ30

ヒップベルトのお蔭で肩が楽です。ポケットの位置も手が届く範囲にあるので安心です。

クリーブ30

ベルトは今までにない、ちょっと変わった仕様。下は固定で、上でバックルを調整します。幅の狭いベルトで軽量化をしているのかもしれません。使いづらいと言うことはありません。

両サイドワンドポケット

クリーブ30

両サイドに設けられたストレッチメッシュのポケットは、サイドコンプレッションの利用で長尺のポールも倒れず収納出来ます。500~600mlのペットボトルなら2本入ってしまう大きさ。

ポールキャリア

クリーブ30

ポールを携行できるキャリアを左右に備えています。

背面

クリーブ30

ヒップに当たる部分は、クッション性のあるパッドを使用。柔らかな感触が気持ちいい。

クリーブ30

背中の部分は、メッシュ素材を使用していて通気性がよく、内側は波状の突起で汗を逃がす機能。

耐久性の高いX-GRID R/S FABRIC

クリーブ30

100デニールの軽量ナイロンに、強度の高い超高分子量ポリエチレン糸がグリッド状に織り込まれているX-GRID R/S FABRICは、優れた強度と高い耐摩粍性が特長です。質感は薄すぎず厚すぎず、X-PACのようなゴワゴワ感もほとんどありません。内部摩擦にも強く、経年劣化にも耐えるので、長いあいだ登山のお供になってくれそうです。ただし、完全防水ではありませんので、ザックカバーは必要です。

リフレクタープリントロゴ

クリーブ30

夜間でも視認性を高める反射ロゴがフロント部にプリントされています。

ロールトップバックル

クリーブ30

クリーブ30は、カリマー初の雨蓋のないロールトップ方式です。荷物が増えても拡張可能。巻き方向はバック側にもフロント側にも巻くことができます。また、サイドのバックルを使わず、上部で左右のバックル同士をつなぐことも可能です。

クリーブ30

開口部はジッパー付き。ジッパーは吐水ジッパーではありません。

クリーブ30

ジッパーを締めたらクルクルと巻いてバンドで留めます。荷崩れ・型崩れを防いでくれます。

クリーブ30

サイドにあるバックルのベルトは長さを調節できますので、荷物の量に応じて対応が可能です。

フロントメッシュポケット

クリーブ30

フロントに設けられた大きなメッシュポケットが今風で素敵です!雨はしのげませんが、地図や帽子、行動食、手袋、ウィンドブレーカー、サンダルなどの小物や濡れたものを入れられるのが魅力です。メッシュポケットは真ん中のジッパーで2分割されているので、大きなものは入れられません。また、メッシュ自体に伸縮性はありません。

クリーブ30

この日は、手ぬぐいや眼鏡ケースを入れていました。

フロントジッパー

クリーブ30

ロールトップを開けずとも中身が取り出せるフロントジッパーが超便利。プルタブも大きく、手袋をしたままでも荷物の出し入れ・撤収のしやすさをお約束。ジッパーは水ジッパーなので、雨の侵入を防いでくれます。

内部仕様

クリーブ30

スッキリとした無駄のない内部は、荷物の出し入れが容易ですべりがよく、マチも広いので厚みのあるものもストレスなく入れられます。Feather Whiteは中が明るいのでお気に入り。外からは荷物がやや透けて見えるので、気になる人は別カラーを選びましょう。

クリーブ30

背中側にポケットがひとつあります。薄手のシートや地図、ハイドレーションタンクなどを収納できます。

クリーブ30

ハイドレーション用のホールは本体上部中央にあります。チューブはホールを経由し ショルダーハーネスへ。先端部分のホルダーは左右に設けています。

クリーブ30

キーフックが付いています。大事なキーの保管や、すぐに取り出したい小物をセッティングしましょう。

背面パネルは着脱が出来て、小さく折りたたむことができます。長期縦走用のサブバッグとしても使用可能です。

まとめ

カリマークリーブ30

クリーブ30は900gと軽量ながらも、行動中に快適な操作ができるよう工夫をこらした画期的なザックです。実際に使ってみて、軽いのも嬉しいし、痒い所に手が届くのも助かるし、と一石二鳥なところがとても気に入りました。見た目も最高にかっこいい!小屋泊もじゅうぶん行けると確信しましたね。これから使う機会が増えそうです。

↓Small

↓Medium

↓楽天市場で見てみる

楽天市場

カリマー公式サイト

コメント