山梨県北杜市にある日向山(ひなたやま)をご存知ですか?樹林帯を抜けると、突如目の前に現れる白砂の山頂。まるで海にでも来たかのような錯覚に陥ります。眺望もよく、天気がいい日には甲斐駒ヶ岳や八ヶ岳も見えます。危険な急坂もなく、登山初心者にも安心です。8月の日向山をレポします。
日向山とは?
日向山は標高1,660mの山で、赤石・身延山系に属する山梨百名山のひとつです。山頂は花崗岩が風化してできた白い砂に覆われていて大変美しく、始めて来た人は皆とても驚きます。
矢立石登山口からは1時間40分で登頂できるので、登山初心者やファミリーにも人気です。ルートに1/10~10/10までの看板があり、今、自分がどのあたりにいるかが分かるので安心です。
山頂からの展望は素晴らしく、天気が良ければ甲斐駒ヶ岳、八ヶ岳、鞍掛山、鋸山などを見ることが出来ます。
アクセス
日向山への登山口は、「矢立石」と「尾白川渓谷駐車場」の2ヶ所があります。
<矢立石登山口>
車でのアクセス | 中央自動車道長坂ICから約30分 |
電車でのアクセス | JR中央線長坂駅、日野春駅、小淵沢駅からタクシーで約30分 |
駐車台数 | 約10台 |
トイレ | なし |
日向山に最も近い矢立石登山口は駐車台数が少なく、林道の幅も狭いため、大型車は通行不可です。路駐も多く、奥に入り過ぎて満車の場合、Uターンが難しくなりますので注意してください。
混雑が予想される場合は、少し離れた尾白川渓谷駐車場に停めたほうが無難です。
<尾白川渓谷駐車場>
車でのアクセス | 中央自動車道須玉ICから約25分 / 長坂IC・小淵沢ICから約20分 |
電車でのアクセス | JR中央線長坂駅、日野春駅、小淵沢駅からタクシーで約20分 |
駐車台数 | 約100台 |
トイレ | あり |
その他 | 食堂、売店あり |
尾白川渓谷駐車場は竹宇駒ヶ岳神社のすぐそばにあります。尾白川渓谷駐車場から矢立石登山口までは、竹宇駒ヶ岳神社の手前を右折、徒歩約1時間です。
尾白川渓谷駐車場は、夏休みはキャンプに来る車で大変混雑します。満車、閉鎖になる可能性が高いので、繁忙期を外すか、早い時間に到着するようにしましょう。
登山コース
2020年8月現在、錦滝~山頂の間での崩落により、竹宇駒ヶ岳神社から尾白川渓谷を歩いて山頂に向かう登山道は閉鎖されていますのでご注意ください。尾白川渓谷⇔矢立石⇔山頂のピストンのみ通行可能となっています。
スタートから九十九折りの登りが続き、山頂少し手前で緩やかになります。登山道はよく整備されており、迷うところはありません。山頂にトイレはありません。
日向山登山レポ
こちらが矢立石登山口です。駐車場のすぐ後ろになります。
錦滝~日向山山頂の区間に関する注意書き(通行禁止)の看板があります。
登山口を登り始めてすぐに、キノコをあちこちに見ることが出来ました。
こちらはかわいいたまご茸です。だいぶ伸びてしまっていますが、最初は白い卵のような殻に隠れているのです。食用ってところがすごいですね!
こちらは見るからに毒キノコですよね(^^;
キノコは触るだけでも有毒なものがありますので、素人はむやみに素手で触ったり、食べたりしないようにしましょう。
登山道に石仏。花崗岩の石が祀られている(?)
オトギリソウ
ヤマホトトギス
ハイキングコース「10-5」の看板。ちょうど半分まで来ました。樹林帯の中を歩くので、夏でも案外涼しいのです。この日は気温18度でした。(下界は36度)
こちらは雨量計になります。どうやって雨量を量るのかしげしげと眺めてしまいました。
いよいよ山頂が近くなってきました。土が白く、まるで海岸に出る直前のようです。
ついに日向山山頂に到着です。白砂のビーチ!とても美しいです。
切れ落ちた蟻地獄のような崖には近づかないようにしましょう。
所々に花崗岩が露出しており、まるで違う星に降り立ったかのよう。
日向山の看板が設置された倒木。ここで記念写真を撮りましょう。
左上のガスが掛かっている付近が甲斐駒ヶ岳になります。この日は残念ながら見えませんでした。
山頂に出て、左手にずっと歩いて行くとやや下った辺りに雁ヶ原があります。突き当りに石碑がありますのでお参りして行きましょう。
岩の陰に一輪だけオオビランジが咲いていました。可愛いピンクの花です。
山頂の右手にも広い砂地があり、どこでもお弁当を食べることが出来ますよ。遠く八ヶ岳はガスが掛かって良く見えませんでした。
キバナノヤマオダマキ
ホタルブクロ
山頂の少し手前に三角点がありますので、忘れずに寄って行きましょう。
帰りは来た道を戻ります。約1時間で矢立石登山口に到着です。
時間があれば訪れたい観光スポット
登山だけして帰るにはもったいない!日向山の周辺には多くの観光スポットがあります。私が実際に行って来たおすすめのスポットをご紹介します。
竹宇駒ヶ岳神社
信仰の霊山、甲斐駒ヶ岳の麓に里宮として建てられたのが「竹宇駒ケ岳(ちくうこまがたけ)神社」です。奥宮は甲斐駒ヶ岳山頂にあります。境内にはたくさんの石碑、石像があり、信仰の深さが伺えます。是非お参りしていきたいですね。
駐車場は尾白川渓谷駐車場に停めます。そこから歩いて5分ほどです。
尾白川渓谷
エメラルドグリーンの清流が有名な尾白川渓谷は日本名水百選のひとつで、夏の川遊びはもちろん、数々の滝や淵を堪能できるハイキングコースとなっています。
アクセスは、尾白川渓谷駐車場から竹宇駒ヶ岳神社を通り、奥の吊橋を渡るとすぐです。
2020年6月に訪れた時のレポを上げていますので、興味のある方はどうぞ。
シャルマンワイン工場
道の駅はくしゅうの近くにある「シャルマンワイン」は、自社農園で本格熟成ヴィンテージワインを作っているワイン工場です。試飲コーナー、ワイナリー見学(無人)、直売所があります。ワインの好きな方は寄ってみるといいでしょう。
日本酒醸造所「七賢」
甲斐駒ヶ岳の伏流水で作られる日本酒「七賢」は、江戸寛延3年(1750年)創業の老舗です。白州の軟水で作られるやわらかい日本酒が特長です。日本酒の好きな方は必見です!
中はとても広く、試飲コーナーや売店、甘味カフェもあり、時間に余裕があれば醸造蔵見学※もできます。歩いて2~3分のところに広い駐車場があります。
※醸造蔵見学は新型コロナ感染症の影響で、2020年8月現在休止しています。
和菓子屋「金精軒」本店
明治35年創業の「金精軒」は、信玄餅で知られる老舗の和菓子店です。夏季限定の水信玄餅が評判ですが、予約制で買えませんでした。でも生信玄餅がおいしかったですよ!三密を避けるために、店内は人数制限していました。
七賢の近くなので、七賢駐車場に車を停めてセットで訪れるといいでしょう。
日帰り温泉「むかわの湯」
下山後の楽しみは何と言っても日帰り温泉ですよね!
以前、尾白川渓谷に行った時にご紹介した日帰り温泉は「尾白の湯」だったんですが、今回は少し離れた場所にある「むかわの湯」をご紹介します!
と言うのも、今回も「尾白の湯」へ行ったのですが、夏休みだったこともありめちゃめちゃ混んでいたのです。まさに密!
で、そこは諦め、シャルマンワインの方に教えていただいた「むかわの湯」へ行くことにしたのです。
こちらはあまり観光客に知られていないのか、人も少なめで、かなり居心地がよかったのでおすすめですよ!
所在地 | 山梨県北杜市武川町牧原1322 |
営業時間 | 4月~10月:午前10時~午後10時 (入館は午後9時30分まで) 11月~3月:午前10時~午後9時 (入館は午後8時30分まで) |
休館日 | 毎週火曜日(祝祭日の場合はその翌日) |
料金 | 大人:830円 (北杜市民:410円) |
泉質 | ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉 |
浴場 | 内湯:10種類 露天風呂:あり |
その他の施設 | 休憩室、個室、軽食、売店 |
まとめ
日本百名山甲斐駒ヶ岳のすぐそばにあることで影が薄い日向山ですが、意外と私の周りでは「好きな山だ」という人が多いです。
何と言っても山頂のビーチが素晴らしいので、是非一度訪れてほしいです。ビーチグッズや砂遊びグッズを持っていけばインスタ映え間違いなし!(笑)
気軽に登れるので、子供と一緒に行くのもおススメですよ。
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