2020年8月初旬に、北アルプス乗鞍岳に一泊二日で登ってきました。乗鞍岳は麓からシャトルバスで登山口まで楽々アクセス。初心者や子供でも楽しめるトレッキングコースから、主峰剣ヶ峰登山コースまで体力に合わせたルートが楽しめます。お花畑散策もよし、御朱印を頂くのもよし、運が良ければ雷鳥との遭遇があるかも?
乗鞍岳とは?
日本百名山の一つ乗鞍岳は、乗鞍岳という山頂があるわけではありません。乗鞍岳は長野県と岐阜県の県境にまたがる北アルプス南部の山々の総称で、南北15km、東西30kmに及ぶ壮大な山域です。主峰剣ヶ峰(3,026m)を中心に、23峰からなっています。
2003年のマイカー規制により、剣ヶ峰への登山口がある畳平バスターミナルへ続く林道は一般車両が入れません。麓の専用駐車場などからシャトルバスかタクシーでの利用が必要です。(自転車を除く)
詳しくは乗鞍岳/乗鞍スカイライン公式サイトへ。
各方面からの登山コースもいくつかありますが、ほとんどの観光客や登山者は、畳平を起点にして周辺を散策したり登山をしたりしています。畳平にはお花畑もあり、4月から10月まで平地では見ることのできないたくさんの花が咲いています。
また、サイクリングも人気で、毎年、夏にはヒルクライムレースが行われています(2020年は新型コロナ感染症の影響で中止)。乗鞍エコーラインにある標高2,716mバス停は、日本で自転車走行できる最も高い標高地点となっています。
さらに1年中溶けない雪渓があるため、夏スキーができる山としても知られており、真夏なのにスキー板やスノボを抱えたスキーヤーで賑わいます。
乗鞍の夏は、観光客、登山者、チャリダー、スキーヤーが入り乱れる(笑)、楽しいお山なのです。
但し、そこは3,000m級の高山。高山病も心配です。体調や装備を万全にして臨みたいところです!
乗鞍岳登山レポ
私は前日の昼頃に乗鞍高原に到着し、乗鞍高原のペンションに前泊しました。初日に剣が峰に行くこともできたのですが、既に山頂は雲に覆われていたため、登頂は2日目の朝の、天気がいい時間にすることにして、前日は乗鞍高原を散策しました。
乗鞍高原とのセットもおすすめ! ▶乗鞍岳の裾野に広がる乗鞍高原は、大野川の清流に沿っていくつかの池や滝があり、多彩な高原植物の宝庫でもあります。サイクリングや散策のできる道も整備されており、急な山道もないので自然を気軽に楽しむには絶好のロケーション!乗鞍温泉郷に泊まり、乗鞍岳を仰ぎ見ながら汗を流すのもいいですね。
乗鞍観光センター~畳平バスターミナル
早朝5時半、畳平行きのバスに乗るため、乗鞍観光センターにやってきました。すでにチケットを買う列が出来ています!
ルートは2つあります。私が利用したのは長野県側の乗車場所です。
【長野県側乗車場所】乗鞍観光センター「乗鞍エコーラインコース」(駐車場有)
【岐阜県側乗車場所】ほうのき平スキー場・平湯温泉「乗鞍スカイラインコース」(駐車場有)※1
※1 岐阜県側の乗鞍スカイラインは2022年9月9日に道路崩落により通行止めとなっています。長野県側からしか行けませんのでご注意ください。
バス運行状況については乗鞍岳畳平バスターミナルへ。
皆さん、荷物を置いて順番取りしています。駐車場もほぼ満車状態でした。
2023年シーズンの営業について▼
【開通・開山期間】2023年7月1日~10月31日 ※道路状況により変動あり。
【バス運行料金】観光センター前~乗鞍畳平 大人:2,500円 小人:1,250円
バスの詳しい時刻表や運賃については、アルピコ交通株式会社の公式サイトをご覧ください。
バスは乗車人数によって台数を調整しているようで、この日は3台に分乗して畳平を目指しました。新型コロナ感染症の影響で、例年より人出は少なく、外国人客もいませんでした。バス内は予防のためマスク着用、窓は解放。約50分かけてつづら折りの道路を登って行きます。空は雲一つない晴天です。
午前7時、畳平バスターミナルに到着しました。標高は2,702m、気温は9℃、半袖では寒いです。空が青い!
畳平バスターミナルの詳細
まずはバスターミナルで情報収集。バスターミナルでは、当日の天候や、雷鳥の目撃情報がありますので、是非寄っていってください。
今日の気温は14.8℃の予想。風も穏やかで絶好の登山日和になりそうです。
ライチョウは大黒岳に多くいそうです。会えるかなぁ?
7時の時点でバスターミナル内の軽食コーナーは営業していました。食事がまだの人は、ここで腹ごしらえが出来ますよ。
おみやげコーナーはCLOSEでした。
営業期間 | 7/1~10/31(冬季閉鎖)まで |
営業時間 | 8:00~17:00 1階売店 8:30~17:00 1階軽食コーナー 8:30~15:00 ※御来光バス運行期間は4:00~15:00 2階展望レストラン 10:30~14:00 ※営業期間7月10日頃~10月15日頃 |
収容人数 | 1階軽食コーナー 約50名 2階展望レストラン 約180名 |
トイレ | 1階:無料 2階有料水洗トイレ:100円 |
コインロッカー | あり 1回300円 |
ミニツアーガイド | お一人様2000円(約60分) |
公式サイト | http://norikura-bus.com/ |
乗鞍岳は宿泊施設も充実
乗鞍岳には、泊まれる施設が3つあります。畳平に2軒、剣ヶ峰手前に1軒。好みに応じて選ぶといいでしょう。
畳平で御朱印がもらえる
畳平には乗鞍本宮があり、御朱印がもらえます。山頂では頂けません。混雑時にはすぐにもらえないこともありますので、時間に余裕を持って行きましょう。
畳平~剣ヶ峰
バスターミナル内で高地順応をしてからトイレを済ませ、登山スタートです。寒いので半そでの上にレインウェアを着て出発です。
下の地図は、乗鞍岳のトレッキングコースです。
畳平バスターミナルから少し下った所にお花畑があります。一周30分~40分ですが、この日は落石の為、途中から通行止めでした。剣ヶ峰に向かう道沿いにもお花はたくさん咲いているので、観光客でなければ特に寄る必要はないでしょう。
しばらく歩きやすいなだらかな道が続きます。剣ヶ峰までの所要時間は1時間半。沿道にたくさんの花が咲いています。
多過ぎて全て載せられないので、その他のお花は植物図鑑のページに掲載しています♪
鶴ヶ池に雪が残っていました。その奥に見えるのは、摩利支天岳(旧コロナ観測所)です。剣ヶ峰はまだ見えません。
振り返れば美しい畳平のパノラマ絶景。日本じゃないみたい!
ようやく肩の小屋が見えてきました。標高が高いせいか、指先がしびれてました。体が慣れようと必死です(^^;
左手には大雪渓が。スキーやスノボを楽しんでいる人が見えます。雪質はどんな感じかなぁ?リフトはないので自力で上まで登らないと滑れませんね(^^;
大雪渓の上に剣ヶ峰が見えています。一番左の高いところが山頂です。
肩の小屋に到着です。ここまでで既に1時間半かかってます(^^; お花の撮影で時間かかり過ぎ!(笑)
肩の小屋では休憩はもちろん宿泊もできます。トイレ(100円)可。
屋外ベンチで一休み。位置的にちょうどいい。ここからあと1時間。
肩の小屋からは一変して岩々の登山道が始まります。
蚕玉岳~剣ヶ峰手前の鞍部。酸素が薄くて結構しんどい!もうひと頑張りです。
ようやく剣ヶ峰山頂に到着しました。3,026m。休憩ばっかりしてたらなんと2時間半も掛かってしまいました!どこが初心者向け?結構大変でしたよ。。
山頂はやや風が強かったです。気温は凍えるほどではありませんが、ウィンドブレイカーやアウターがあると安心です。
乗鞍神社ではお守り、登頂記念バッジなど売ってます。神主さんもいますよ。
一等三角点。
剣ヶ峰~頂上小屋~富士見岳~大黒岳
復路は頂上小屋を通って帰ります。下に見えるのが頂上小屋です。
頂上小屋到着です。オリジナルTシャツ、バッジ、コーヒー販売、ギャラリーコーナーがあります。現在、宿泊はやっていません。
時間があったので富士見岳(2,817m)と…
大黒岳(2,772m)も登頂しました。
標高2716mというバス停。
自転車もいっぱい。インスタ映え?(笑)
畳平バスターミナル~乗鞍観光センター
畳平バスターミナルに戻ってきました。
乗鞍観光センター行きのバス時刻表です。13:05発に乗って帰ります。係員が人数チェックをして、バスに振り分けてくれます。帰りも3台で無事下山しました。
おすすめ日帰り温泉「湯けむり館」
登山の後は、やっぱり日帰り温泉ですよね!
乗鞍観光センターのはす向かいにある「湯けむり館」は、武田信玄によって開拓された大樋銀山から自然湧出した乳白色の温泉施設です。駐車場も広くて立ち寄りやすいですよ。
泉質 | 単純硫黄温泉(硫化水素型) |
料金 | 大人730円(中学生以上)小人310円(3歳以上)回数券あり |
営業時間 | 10:00~20:30(受付20:00まで) |
レストラン営業は11:00~17:00 | |
休館日 | 火曜日 ※12月上旬に休館日あり |
設備 | 内湯:男女各1(ボディーソープ/リンスインシャンプー有) 露天風呂:男女各1 福祉風呂:1(中止中) |
脱衣室 | ドライヤー/ベビーベッド/貴重品ロッカー |
お食事 | カフェレストラン/プリマベーラ |
公式サイト | https://norikura.co.jp/yukemuri/ |
湯けむり館は大変いいお湯で、ゆったりと過ごせました!食事はしなかったのですが、本格窯焼きピザ、生パスタが楽しめるようです。
まとめ
初めて乗鞍岳に登ったのですが、まずスケールの大きさに驚きました。剣ヶ峰だけでなく、周辺の富士見岳、大黒岳、魔王岳などへのトレッキングも容易に行けますし、鶴ヶ池、不消ヶ池の景色も素晴らしく、そして何と言ってもお花がたくさん咲いていて、花好きにはたまらない山だと思いました。
また、サイクリング、夏スキーもできて、いろいろな楽しみ方ができる山なんですね。また、乗鞍岳には趣の異なった宿泊施設が3つありますし、麓の乗鞍高原にも温泉宿やペンションがたくさんあります。是非泊りがけで自然の素晴らしさを堪能していただきたいです!
今回天気が良すぎて、雷鳥に会うことが出来なかったのだけが残念です。いつかまたゆっくりと時間をかけて山頂を巡りたいと思います!
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