日帰り登山に慣れてくると、そろそろ宿泊登山もしてみたいなぁと思うようになりますよね!山小屋泊ならテント泊より荷物が少なくて済むし、食事の心配はいらないし、温かいお布団で寝られるしで、初心者の方にはおすすめです。ここでは、山小屋に泊まるための一般的なルールとマナー、そして私が気付いた、持っていくと便利なグッズをご紹介します!
山小屋のルールとマナーは?

山小屋には暗黙のルールとマナーがあります。何も知らないで日常生活と同じような感覚で行くと、周りに迷惑をかけるばかりでなく、小屋番さんから雷が落ちることもあるので気をつけましょう!
予約について
個人で行く場合は原則予約が必要です。予約なしで突然泊まることになったとしても、厳しい環境下にある山では断られることはありませんが、食事の用意が出来なかったり、混雑時には廊下で体育座りで就寝…なんてこともあるようです。昨今は新型コロナ感染症対策の一環として、どこの山小屋でも予約が必須になっていますので注意しましょう。
予約方法は、電話か公式サイトのフォームなどで受け付けています。電話での予約時間は、山小屋ごとに決まっていますので確認しましょう。料金は、一泊二食1万円前後でトイレ代も含みます。キャンセルする場合、基本的に取消料金はかかりませんが、規定は山小屋によって違うので確認しておきましょう。
チェックインは?
午後3時~4時までに、と言われています(それより早めでも大丈夫です)。理由は、日没と気象に関係があります。樹林帯は暗くなるのが早く、午後は雷や雨など天候が急変することが多いからです。遅くなりそうな時は、山小屋に必ず連絡を入れましょう。連絡をしておかないと捜索隊がでてしまうこともありますよ!
山小屋についたら、小屋番さんに「お世話になります」のご挨拶をしましょう。住所・名前等を書いて、宿泊料金を前払いします。カードは使えません。お部屋は小屋のほうで割り振ってくれます。食事の時間や注意事項も伝えられますので、しっかり聞いておきましょう。
部屋ってどんな感じ?

個室を希望していない限り、相部屋になります。相部屋でも男女で分けてもらえたり、グループだと一つの部屋を割り当ててくれたり、閑散期には個室にグレードアップしてくれたりもします。
部屋は、和室、蚕棚(何層か棚上に仕切られた寝床)、1人ずつの二段ベッドなどいろいろあります。混雑時には、1人1枚の布団を貰えないことがあります。私の最高圧縮率?は、4人で3枚の布団でした。(これはまだいいほう) 人気のある山小屋の週末や紅葉時期などは注意が必要です。
山小屋によっては、予約順ではなく到着順に、近い部屋(便利)から遠い部屋(不便)へ割り振るところもありますので、なるべく早目の到着が良いかと思います!
寝具について
寝具は、敷布団、毛布、掛布団、枕が一般的で、シーツや枕カバーがあったらラッキーです。(ほぼない) 感染症対策で寝袋持参の山小屋もあります。最近は、羽毛布団も増えてきており、基本的に山小屋の中は暖かいです。そしてなぜか敷布団の幅が狭いような気がします。(気のせい?)
部屋に入ると、すでに寝具が壁側に畳まれて置いてある状態が多いです。自分で自由に敷いて構いません。標高が高い山では、すぐに寝ると酸素供給が弱くなり、高山病を発症することがあるので注意しましょう。
天気のいい日は、お布団を天日干ししてくれていますが、雨が続くとなんとなく湿気がこもってたりします。誰が使ったか分からない布団に寝ることに抵抗がある人は、インナーシーツを持参することをおすすめします。私は、靴下のにおいのする布団に当たり、寝られなかったことがあります。それ以来、インナーシーツは必携です。感染症対策に持参を勧めている山小屋もあり、持参出来ない場合は有料で販売している山小屋もあります。

枕も重要です。ふわふわの枕を期待してはいけません。そば殻が多いかなーといった印象です。私は高い枕、硬い枕が苦手なので、自分でタオル枕を作ります。顔周りも手ぬぐいやバンダナを敷いて防御します!(何から?)
部屋についたらやること
汗拭き、ストレッチ、荷物整理です。着替えがあればくつろぎ着になってもいいでしょう。
山小屋には通常お風呂はありませんので、汗拭きシートで体の汚れを拭きます。私は薬用デオドラントの無香料タイプがお気に入りです。
山小屋では洗顔フォーム、クレンジング類は流せないため、メイクはふき取りシートで落とします。私はビフェスタを愛用しています。オイルフリーなのに濃いメークも落ちる優れもの。
稀ですがお風呂がある山小屋もあり、大変気持ちがいいのですが、ドライヤーはないので私は髪は洗いません。髪のベタベタが気になる場合は、水を使わないシャンプーを使用するのもおススメです。ミントの香りでスッキリさわやかです。
ストレッチは、やるとやらないでは次の日の疲れが全然違います。アミノバイタル(ゴールド)を飲んでおくと、筋肉痛が軽減しますよ!
歯ブラシ、メイク道具、ヘッドライト、水などは、枕元に置いておきます。小さい鏡を持っていくと便利です。部屋にハンガーはないので、私はクリーニング屋でくれるワイヤーハンガーを持参します。自在に曲がるので、ザックの中に仕込めますよ(笑)
明日の準備は、消灯(9時頃)になる前にやっておきます。早朝、ガサゴソ支度をするのは周りの人に迷惑なのでやめましょう。仕分け袋にコンビニ袋を使うのはNGです!音がしないビニール袋や登山用のスタッフバッグがおすすめです。
食事、水について

夕食時間は、夕方5時~が多いです。混雑時は2回転3回転も当たり前。順番に呼ばれるので待ちましょう。
メニューは、山小屋によってカレーだったりワンプレートだったりいろいろで、量的に満足感が得られなかったりします。でも、ご飯と味噌汁はおかわり自由です。どこも食材に制限がある中で、工夫して作ってくださっています。感謝の気持ちをもって完食しましょう。
食べ終わった後は、返却口がある山小屋以外、食器をまとめたり重ねたりする必要はありません。かえって片付けにくかったりするそうです。
食堂がそのまま談話室になったりするところもあります。山小屋の楽しみは、他の登山者や小屋番さんとの語らいです。面白い話や為になる話が聞けたりするので、是非参加してみましょう。
朝食時間は、朝5時~6時が多いです。早出をする人は、前の晩にお弁当を作ってもらうことが出来ます。
山小屋によっては、無料で水やお湯を頂けるところがあります。水源のない山域は、有料のペットボトルしか置いていなかったりします。水は貴重なので大事に使いましょう。
ビールやソフトドリンクは、どこの山小屋でも売っています。自動販売機のある山小屋もあります。山価格で高いですが、荷揚げ代が含まれていますので仕方がないですね。
トイレについて
近年、バイオトイレの普及で水洗トイレが多くなってきました。洋式も和式もありますし、男女別に分かれているところもあれば、共用のところもあります。
トイレットペーパーは、便器に流せないので備え付けのゴミ箱に捨てましょう。つい、いつもの癖で便器内にポイしちゃいがちなので、意識して「ゴミ箱ゴミ箱」と念仏でも唱えましょう(笑)
臭いはそれほど気になりません。どちらかというと、気になるのはゴミ箱の中の臭いですかね…。
歯磨きについて
山小屋では、歯磨き粉は使えないと思ってください。水質汚染につながるものは流さないようにしましょう。ペットボトルの水と歯ブラシで磨きます。洗面所がない所では、屋外で歯を磨きましょう。
水の要らない歯磨きシートを使うのもいいですよ。
チェックアウトは?
山小屋によってはチェックアウト時間が決められているところがありますので確認しましょう。料金は前払いしているので、特にすることはありません。お礼を言ってチェックアウト終了です。
その他注意点と持っていくと便利なもの
- 持ち物の紛失や盗難が稀ですがあります。登山靴の履き違え、乾燥室のウェアなどは特に注意が必要です。登山靴には可愛い洗濯挟みやラベルで自己主張!ウェアには名前を書いておきましょう。忘れ物にも注意です。
- 登山靴を部屋まで持って行く山小屋があります。靴を入れておけるビニール袋があると便利です。
- 消灯前、消灯後に限らず、部屋では静かに過ごしましょう。疲れて早くから寝ている方もいます。
- ゴミは持ち帰るのがマナーです。ゴミ袋を必ず持参しましょう。但し、コンビニ袋は音が出るのでNGです。
- 山小屋内の移動にはサブバッグやサコッシュがあると便利です。ザックの中には貴重品やカメラは入れておかないようにしましょう。
- 山小屋では寝られないのが当たり前。私はほとんど寝られません…。でも、焦りは禁物。横になって目をつぶっているだけでも体は休まっています。よく眠剤を飲んでいる人がいますが、高山では呼吸抑制の副作用が強く出るので問題ありとのこと。団体ツアーで服用する時は、ガイドさんに伝えておきましょう。抗アレルギー剤の睡眠作用を利用する手もあります。どちらにしろ、普段飲み慣れていない薬の服用には十分注意しましょう。
- 高山は酸素が薄いため、食欲が落ちたり、頭痛や吐き気が出たりします。症状がひどい場合はスタッフに相談しましょう。メジャーな山小屋には、夏場だけですが診療所が開設されていたりします。
- 隣人のイビキ対策には耳栓を。自分のイビキ対策にはナイトミン(口に貼るテープ)を!
- 携帯電話の電源確保は困難です。有料で充電をさせてくれる山小屋もありますが、いっぱいで使えないこともあるので、自分で充電器を持って行くほうが安心です。重いですけどね…。
- 消灯後、部屋は真っ暗になります。私は暗所恐怖症なので、わずかな光がないとパニックになります。そんな時に使えるのが首掛けライトです。ヘッドライトほど光が強くないので、周りに迷惑をかけませんし、ヘッドライトの予備にもなります。でも、廊下は非常灯がついていたり、窓の外が月明かりで明るかったりで、今のところそれほど心配しないで済んでいます。
- お土産コーナーが楽しいです。山小屋特製バッジ、バンダナ、手ぬぐい、Tシャツなどはコレクションしたくなりますよ!山小屋の収益にもなりますので、私は必ず何か購入するようにしています。
まとめ/山小屋ライフを楽しもう
いかがでしたか?少ない経験の中で、思い出せる限りのものを書き出してみましたが、基本的にメジャーな山小屋しか泊まった事がないので、この限りではないことをご了承ください。
山小屋には、テレビもなければエアコンもありません。不自由な環境に置かれた時にこそ見えてくるものがあります。大自然の美しさ、薪をくべる音、人と人との語らい、質素な食事や煎餅布団のありがたみ(笑)。遠い昔を思い出させてくれる何かがあるのかなと私は思います。
山小屋ライフは未経験の体験ばかりになりますが、サバイバルを楽しむ感覚で行くと得られるものも多いのではないでしょうか?
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