【アルトラ】オリンパスをレビュー|登山でローカット探している人は必見!

アルトラオリンパス5 山の道具
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登山やトレイルランニングで愛用者が多いアルトラ社のローカットシューズ。その中でもオリンパスは他のシリーズに比べてクッション性がよく、滑りにくいという特長から、トレランのみならず登山で履きたいローカットシューズとして人気の商品となっています。今回は、実際にアルトラオリンパス5を履き始めて半年になる私が、その特長や履き心地についてレビューしたいと思います。是非参考にして頂けると嬉しいです。

アルトラとは?

アルトラはアメリカで誕生したランニングシューズブランドです。創始者はブライアン・ベックステッドとゴールデン・ハーパー。二人は自身も長距離ランナーであり、これまでになかった画期的なゼロドロップシューズの基盤を形成しました。ゼロドロップについては後ほどご説明しますが、ゴールデン・ハーパーはこの時「人生で初めて、普通の感覚のランニングシューズを履いた。」「シューズが私の走りを邪魔しているように感じなかった。」と語っています。それから10年以上もの間、アルトラのシューズは世界中のトレイル、ロードランナーたちの足を支え続けてくれています。

アルトラ オリンパスの特長

アルトラオリンパス

アルトラシューズは10以上もの種類がありますが、基本的な特長であるゼロドロップ、幅広のトゥーボックスは共通しており、スタックハイト(靴底の厚み)や素材、重量などの仕様を変えることで、トレラン初心者向け、ショートレース向け、長距離向け、ハイキング向けなど、様々なランニングやウォーキングに対応したシューズを作っています。

その中でも特に登山者に愛用されているシューズが、今回ご紹介するオリンパスです。アルトラシューズのラインナップの中では「厚底シューズ」に分類され、100kmを超えるロングトレイルランニングや、重い荷物を背負った登山などのシーンで多くのハイカーに使用されています。尾瀬の歩荷さんが木道歩きで愛用されていることでも有名で、雨の日でも滑りにくいという特長も持っています。

ここではオリンパスに絞って、どのようなメリット、デメリットがあるのかを掘り下げてみたいと思います。

※2025年1月現在、オリンパス6が最新モデルとなっていますが、ここではオリンパス5の画像を使用しております。ご了承ください。

つま先と踵の高さが同じゼロドロップシューズ

アルトラオリンパス

アルトラシューズの一番の特長は何と言ってもゼロドロップシューズであることです。ゼロドロップとは、シューズのヒール部分とつま先部分の地面からの距離が同じ(ヒール1:つま先1)であるという事です。

ほとんどの靴はこの「地面からの距離」が、ヒール2:つま先1の比率になっています(踵がつま先部分に比べて倍の厚さがある)。その場合、体は前方に傾くような形になります。それを戻すためには膝関節・股関節が屈曲し、骨盤が前に傾き、腰椎にも負担がかかりやすくなるため、運動で生じるストレスを吸収できなくなると言われています。

ゼロドロップは自然で正しい姿勢を保つことが出来るため、ヒールストライクを軽減させ、着地面積を広げ、関節、腱にかける衝撃を劇的に減らす効果があります。

最近よく聞かれる「ベアフット(裸足)・ランニング」の最大の特徴は、不自然な姿勢の状態を正し、人間のもっともバランスの取れた自然な状態を作り出すこと。アルトラはゼロドロップの採用で、このベアフットランニングの感覚を再現しました。

トゥボックスが幅広

アルトラオリンパス

アルトラの足型は、足の自然な形状に合わせてデザインされており、先端が細くならず足指が広がる設計になっています。そのため、親指が正しい位置に保たれることで安定性が増し、より効率的な歩きができると謳っています。足形がなかなか合わない幅広足の方や、外反母趾、巻き爪など足のトラブルがある方にもおすすめです。

通常の登山靴でも、つま先に余裕を持たせ、5本の指が自由に動くことが推奨されていますよね。私は以前、登山ガイドに「親指に重心を置いて歩くようにするとバランスを取りやすい」と教わったことがあります。また。岩盤エリアでは5本の指で岩を掴むようにして登ることを心がけています。登山では靴の中で指を自由に動かせることが重要なので、ローカットシューズを履いた場合でも同様の仕様が求められるはずです。その点、アルトラシューズのトゥボックス形状は登山向きであると言えるでしょう。

高いクッション性で地面からの衝撃を緩和

アルトラオリンパス

アルトラオリンパスの靴底は33mmで、アルトラシリーズのなかではMAXクッションとなっています。これにより、ガレ場やザレ場などの地面からの衝撃を効果的に緩和してくれます。内側から指で押してみると適度なクッション性があり、足裏を守ってくれていると実感できます。

実際に登山で何度も使用していますが、通常の登山靴と遜色はなく、地面の形状を足裏で感じることはほとんどありません。そのため足底の痛みも起こらず、快適に歩けています。かかと部分も柔らかくフィット感があり、靴擦れを起こしたことはこれまで一度もありません。

優れたグリップ力で滑りにくい靴底

アルトラオリンパス

シューズをひっくり返してみると、これまで見たこともないようなアウトソールに驚きます。このアルトラ独自のグリップパターンが滑りにくい靴底を実現し、登山シューズなどでも使われているVibram® Megagripの採用で耐久性でも安心です。画像はオリンパス5のパターンになりますが、アルトラはリニューアルするたびに仕様をアップデートしていますので、オリンパス6でもさらに性能の良くなったアウトソールを体感できるかと思います。

この滑りにくい靴底は尾瀬の歩荷さんのお墨付き。これには本当に納得です。私も雨の尾瀬を歩いたことがありますが、あの木道って濡れるととても滑りやすくて怖いんです。また行く機会があれば、絶対オリンパスを履いて行こうと思います。

軽い履き心地で疲れにくい

アルトラオリンパス

アルトラオリンパスの重量は、メンズで345 g(Mens US10.5 / 28.5cm)、ウィメンズで289 g(Womens US8.5 / 25.5cm) です。登山靴と比べるととても軽いです。どれくらい軽いかというと、登山靴では走ることがまったくない私が、下山時に思わず走り出してしまうほどです。登山靴と違って足首がガチガチに固定されていないということもあると思いますね。

また、靴が軽いと足にかかる負荷が軽減されるため、たとえば重いハイカットで同じ行程を歩いた時と比較すると、足が疲れにくいのです。この軽さを実感してしまうと登山靴には戻れなくなりそうです。

接地面積が広く安定感がある

アルトラオリンパス

アルトラオリンパスの靴底は内側にガイドレイルを配置し、大きく内側に倒れ込みそうになった時に支えてくれる機能があります。また、靴底が地面に向かって扇形に広がっており、接地面積を広く取るデザインになっているので、歩行時の安定感がより得られる構造になっています。

登山道はロードにはない不安定要素がたくさんあり、少しの油断で足首をねん挫したり転倒したりする恐れがあります。そのため、登山にはローカットより足首をしっかりホールドしてくれるミッドカットやハイカットの靴がよいとされていますが、アルトラオリンパスはそういったローカット特有の懸念点を、靴底形状を工夫することでカバーしているのですね。

参照:アルトラ公式サイト

ローカットシューズのデメリット

ここまでアルトラオリンパスについて優れた特長をご紹介してきましたが、ここからはローカットシューズのデメリットもお伝えしなければなりません。ここを訪れて下さった皆さんも、「ローカットって本当に登山で履いて大丈夫なの?」と疑問を持って来られた方が多いのではないかと思います。

履き心地に関しては人間の足はひとりひとり違うので、100人いれば100の感想があると思いますし、歩く山の環境によっても感じ方は変わってくるでしょう。もちろんローカットを履くにあたっては、気をつけなければならない注意点はあります。しかし、一般的なローカットのデメリットは、工夫と考え方次第で改善できることもありますので、解決法も一緒にお伝えしながらご紹介できればと思います。

足首の保護がないので捻挫が心配

まず第一の不安要素と言えばこれでしょう。ローカットシューズは登山靴と違って足首を保護する機能がないため、捻挫などの怪我をしやすいのではないかと心配ですよね。私がアルトラをなかなか買えなかった理由もこれにあります。ですが、実際に履いてみると、逆に足首を自由に動かせるので可動域が広がり、狭い道や岩場で細かい足さばきができるようになったんです。これは大きな収穫でした。また、ミッドカットで歩いていた時より足を置く位置に注意するようになり、丁寧な歩行を心がけるようになりました。

とはいえ、登山道に慣れていない初心者がいきなりローカットを履くことや、いきなり長時間の行程を歩くことは怪我の原因になりますのでお勧めしません。ある程度の登山歴があり、足の筋力がついている方なら問題なく履くことが出来るでしょう。

ローカットに限らずどんな靴を履いていても、注意力散漫でいれば怪我をしてしまう可能性はあります。ローカットを履く時は、いつもより一層慎重に歩こうという意識が働くので、必要以上に怪我を心配することはないかと思います。

下りで足が前に移動しやすい

ローカットシューズは登山靴のように靴紐を足首の上まで縛ることができないため、下り坂ではどうしても足が前方向へ移動してしまいがちです。足が前に移動してしまうと爪を傷めたり黒ずみの原因になるので、靴のサイズ選びにはより慎重になりましょう。また、足首が細めの方は靴の紐をしっかり上まで締めることがなにより大事です。

アルトラのシューレースホールを見てみると、一番上の穴のもう一つ奥にさらに一つ穴があることが分かります。ここを利用することで足の前方移動をかなり防ぐことができるので覚えておきましょう。

アルトラオリンパス

①靴ひもを上まで通したら、2cmくらいの輪っかが残るように奥側の穴に通します。

アルトラオリンパス

②上から見たところです。反対側も同様に通します。

アルトラオリンパス

③靴ひもの両方の先端を反対側の輪っかに通します。

アルトラオリンパス

④靴ひもの先端を強く引っ張り、締め上げます。

アルトラオリンパス

⑤靴ひもを結びます。靴ひもが少し短くなってしまいますので、ほどけないようにご注意ください。

防水機能がないものが多く水が入りやすい

アルトラオリンパス

トレイルランニングシューズは防水性より通気性や速乾性が重視されているため、雨が降るとアッパー部分から浸水してしまいます。登山では靴の中が濡れてしまうことはできれば避けたいので、雨天時や雨が降りそうな日の使用はあまりおすすめしません。でも、もし雨が降って中が濡れてしまっても、アルトラシューズは乾きが早いので歩いているうちに自然乾燥し、気にならなくなることも多いです。徒渉(川を横切ること)で万が一靴の中に水が入ってしまった場合も、登山靴よりむしろアルトラのほうが不快感が少ないかもしれません。

もし、どうしても水濡れに不安がある場合は、ゴアテックス素材を使用した防水タイプのオリンパスもあるので、そちらを検討してみましょう。

小石や砂が入りやすい

アルトラオリンパス

ローカットシューズの宿命とも言えますが、どうしても靴と足の隙間から小さな石や砂が入りやすいことがあげられます。気になる方はなるべく長めのズボンを履いたり、ゲイターを付けたりして隙間を作らない対策が必要です。

アルトラミッド
出典:Amazon

アルトラオリンパスには、実はミドルカットタイプもあります。より登山やトレッキングに特化した商品で、ゴアテックスを使用した防水タイプも用意がありますので、ローカットはやっぱりちょっと不安。でも、ガチで登山をするほどでもないといった場合は、アルトラのミッドカットタイプを試してみるのもありですね!

アルトラオンラインストア

結論

アルトラオリンパスは、アルトラのローカットシリーズの中でも靴底が33mmと厚く、高いクッション性があるので、登山における地面からの衝撃をかなり緩和してくれます。また、Vibram Megagripソールの採用で滑りにくく、濡れた木道も安心して歩くことができます。そしてなによりアルトラ特有のゼロドロップ形状、幅広なトゥボックスにより、足本来の自然な歩き方を実感することが出来るでしょう。

なお、ローカットシューズはミッドカットに比べて足首の保護が脆弱なので、ある程度歩きに慣れてから履くことをおすすめします。ローカットや水濡れが心配な方は、ミッドカットタイプや防水タイプも視野に入れてみましょう。

それではこれからも楽しい山登りを♪

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