パタゴニアで人気が高いテクニカル・フリースの中で、2020年に新しく発売されたR1エア。今までにない独特のジグザグテクスチャーが気になりますよね!従来のR1との違いは何?と詳細を知りたい方のために、製品のご紹介と、素材感、保温性、着心地などをレビューします。
R1エアシリーズの紹介
「R1」はパタゴニアのレギュレーター・フリースとして、古くから登山者に絶大な人気となっているウェアです。この度、2020年に新作R1エアが発売され、パタゴニア公式TOPで大きく紹介されるようになりました。そのコンセプトは、
「寒冷な状況で動いたり止まったりを繰り返すアクティビティに最適な、次のレイヤーとして選ばれるテクニカル・フリース」
とのことです。
私はすでにR1フルジップ・フーディとR2ジャケットを持っていて、それぞれに素晴らしい機能があり十分満足しているのですが、R1エアはまた違った新技術が施されているようで、大変気になるところです。
そんな寒冷期に頼もしい存在のR1エアは、どのような機能を持っているのでしょうか?じっくり検証してみたいと思います!
まず、R1エアの種類ですが、パターンは次の3種類です。(ウィメンズにてご紹介)
【共通する製品特長】
- 素材はリサイクル・ポリエステル100%。中空糸によるジグザク縫製により、吸湿発散性、速乾性、通気性に優れており、激しい運動中にも快適さを約束。
- ハイキュ・フレッシュ耐久性抗菌防臭加工済み。
- 肩の縫い目をずらし、バックパックのストラップによる痛みを予防。
- それぞれに隠しジッパー式ポケット付き。
- 後見頃のすそ、袖口に織り素材の縁取りを付け、速乾性と伸縮性を向上。
- フェアトレード・サーティファイドの縫製を採用
その他の特長 | 重量 | 価格 | |
R1エア・クルー | 後部右下にポケット | 238g | 13,200円 |
R1エア・ジップネック | 左胸内側にポケット | 252g | 15,950円 |
R1エア・フルジップ・フーディ | 3つのジッパー式ポケット | 309g | 22,000円 |
R1エアは、従来のフリースと比較して、より優れた通気性をアピールしており、フリースの持つ保温性とのバランスをさらに追及した製品であると言えます。
【パタゴニア公式 R1エア紹介動画】
R1エア・ジップネックのレビュー
上記の3種類の中から私が購入したのは、R1エア・ジップネックです。ジップネックを選んだ理由ですが、寒冷期の中間着として着たかったので、フードがないもののほうがアウターと合わせやすいと思ったからです。
従来型R1との比較
<テクスチャー>
まず、私が持っている従来のR1フルジップ・フーディ(左)とR1エア・ジップネック(右)を比べてみると、あきらかにテクスチャーが違います。同じR1でもR1エアのほうが、ふんわり感があって暖かそうに見えます。実際、着た感触もエアと名が付く通り、生地と肌の間に空気層が作られて、とても暖かいです。私の体感では、R1とR2の中間に位置する暖かさのように思いました。R1よりやや厚手になるため、アウターを選ぶかもしれません。かと言って、袖通しが悪いわけではありませんのでご安心を。
<重量>
重量は、R1フルジップ・フーディが360g、R1エア・ジップネックは252gなので、その差は100g以上。同じタイプのR1プルオーバー(275g)と比べても23g軽いのです。ちなみに、R2ジャケットよりも軽いです。
<伸縮性>
伸縮性は、R1がかなり伸縮性があったのに比べると、R1エアはほどほどの伸縮性になります。ほどほどの伸縮性なので、全体的にタイトさを感じるかもしれません。R1のようなピッタリ張り付く服が苦手な人は、R1エアのほうが合うと思います。
R1エア・ジップネック製品詳細
サイズはS(日本のM)です。身幅約46cm、着丈約68cm、肩幅約37cm、袖丈約60cmのスリムフィット。色はRegen Green。 後見頃の裾が前身頃より長いので、お尻が隠れて暖かいです。スリムフィットなので、ゆったり着たい方はワンサイズ上がおすすめ。
R1エアの生地を見てみると、整然と並んだジグザグ加工の間にへこんだ部分が見えます。指でなぞると凸凹感が多少あります。起毛している部分は、フェルトのような感触。
裏側もほぼ同じ作りになっています。
R1エアに撥水性はありません。雨天時にはアウターに撥水性のあるフーディ二やレインウェア等の着用が必要です。
明るい窓に透かして見ると、凹の部分が透けて見えます。従来のR1は格子状のテクスチャーで汗を逃がす方式でしたが、R1エアはジグザグの溝をつけることによって、空気層の面積を増やし、より速乾性を高めるようになっているようです。
寒冷な状況で動いたり止まったりを繰り返すアクティビティに最適なR1エアなら、従来のフリースのような煩わしい衣類調整が必要なくなりますね!これはすごい。
ジッパーの長さは襟のトップから測って30cmもあります。下はアンダーバストの辺りまできますので、発汗時の汗抜けがしやすい、脱ぎ着がしやすいという利点があります。
ジッパーを下すと、左胸の内側にポケットがつけられています。
ジッパー付きなので、ちょっとした小物入れ、小銭入れに使えそうです。チャムスのお財布は入りましたが、スマホは入りませんでした。レイヤリングに影響させないと謳っているので、大きいものを入れる設定にはなっていないようですが、もう少し大きくしてほしかったです。
襟の高さは6cm。首回りは大変暖かく、息苦しさはありません。ジッパー部にチンガードはありません。
肩の縫い目がずらしてあるので、バックパックのベルトに干渉しません。
脇も縫い目をずらして、脇や腰骨に当たらない工夫がされています。これはパタゴニアではもうセオリーになっているようです。また、脇下から袖口にかけて、ジグザグの向きが違うのが分かりますか?腕の上げ下ろしがしやすいように、生地の裁ち方を90度変えているんですね。
袖口にはバイアステープが縫い付けられていて、伸縮性を高めています。同時に、ほころび防止にもなると思いました。
後見頃のすそにも同様の加工がしてあり、ちょっとしたラインアクセントにもなっています。
袖の長さは、やや長め。寒い時期にはありがたい。
耐久性については、まだ着用し始めたばかりなので分かりませんが、ニット素材とは違うのでひっかきには強いように思います。生地自体も丈夫に作られている印象です。
R1エア・ジップネックの着心地とレイヤリング例
R1エア・ジップネックを実際に着用し歩いてみましたので、その時の感想をご報告します。
時期:1月 気温:1℃~7℃の低山 風:風速4~5m
また、その時のレイヤリングも合わせてご紹介します。
下は、アンダーウェアにファイントラックのドライメッシュ、ベースレイヤーにキャプリーン・クール・ライトウェイト(長袖)、その上にR1エア・ジップネックを着用し、早朝の気温1℃はさすがに寒かったので、アウターにマイクロ・パフ・フーディを着込み、温かくして出発しました。
マイクロ・パフ・フーディはダウンではありませんが、ダウン並みの暖かさ。薄手で着ぶくれせず、雨にも強いのでダウンより重宝しています。夏山のご来光時にも使用できますね。また、ポケッタブルなのでコンパクトに収納できるところも嬉しいです。
雪山や氷点下での登山では、キャプリーン・クール・ライトウェイトをキャプリーン・サーマルウェイトに変更するなどして、保温性を高めるといいでしょう。
歩き始めて10~15分で汗をかき始めたので、マイクロ・パフ・フーディを脱ぎました。歩行中は、サラサラのキャプリーンとR1エアだけで大変気持ちよく歩けました。R1エアが上手に汗を逃がしてくれているのを実感。一般的に行動中はフリースだと暑すぎて脱ぎたくなってしまうのですが、R1エアはそんな必要もなく、最後まで着用したまま歩き通すことが出来ました。
ただ、休憩時や停滞時には、R1エアだけだと肌寒さを感じました。特に風が吹くと寒い!汗冷えに注意が必要かと思います。
そんなときは、R1エアの上にフーディニ・ジャケット(ウィンドブレーカー)がちょうどよかったです。これ、薄手なのに暖かい!軽量でコンパクトになるので、ザックに忍ばせておけて使用頻度は高いですね。また、R1エアも隠れる後見頃の長さが気に入っています。
というわけで、R1エアは、動き続けることによって出る汗をすばやく放出しつつ、フリースの暖かさも逃がさない快適なウェアであることが分かりました。逆にずっと止まってたら寒いかも?(笑)
まとめ
今回は新しく出たR1エアの詳細とレビュー、そしてレイヤリングのおすすめなどをご紹介しました。
最初は、ハーフジップであることが少し気になりました。途中で脱ぎたくなった時に、着脱が面倒なのではないかと思ったからです。でも、それは杞憂に終わりました。脱ぐ必要がない!(笑) むしろハーフジップであることで、お腹辺りがゴワゴワしないという利点が。いい買い物をしたと思っています。
パタゴニアオンラインショップはこちらへ当サイトでは、他にもパタゴニア製品のレビューをあげていますので、よろしかったら参考にしてみてください。
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