5月から夏に向けての暑い時期は、どんなベースレイヤーを選んだらいいか悩みませんか?少しでも涼しくて、瞬時に汗を逃がしてくれるウェアが欲しいですよね!今回は、数あるベースレイヤーの中でも人気の高いファイントラックの「ドラウト®フォース」を試してみたのでレビューします。
ファイントラックと製品についての紹介
ファイントラックは2004年創業の日本のメーカーです。アウトドアを愛する創業者が、前職であった繊維業の経験を活かし、自分が納得できるウェアを自分で作りたいと立ち上げたのが始まりと言われております!
ファイントラックは、製品の糸作りから織り上げ、仕上げ、裁断、縫製までの全てを日本国内で生産しています。社員自らがフィールドテストを行い、それらの経験をもとに常に新しい素材を開発し続ける、「日本製」にこだわりを持ったメーカーです。
まず基本的なところになりますが、ファイントラックの「マウンテンウェア」は、
- L1(ドライレイヤー)
- L2(ベースレイヤー)
- L3(ミッドレイヤー)
- L4(ミッドシェル)
- L5(アウターシェル/パンツ)
- Libero(L1~L5以外)
- P(パンツ)
に分かれています。今回ご紹介するドラウト®フォースはL2(ベースレイヤー)に属します。実は、L2(ベースレイヤー)はさらに繊維の種類や生地の厚みによって、
- ドラウト®フォース(ポリエステル やや薄手 / 春~秋)
- ドラウト®ゼファー(ナイロン 極薄手 / 夏・盛夏)
- ドラウト®タフ(ナイロン やや薄手 / 春~秋)
- ネオリーフ™(トリアセテート+高機能ポリエステル やや薄手 / 春~秋)
- ネオリーフ™エスト(トリアセテート+高機能ポリエステル 薄手 / 春~秋)
- メリノスピン®ライト(ウール+高機能ポリエステル / 春・秋~冬)
に分かれているのです。ベースレイヤーだけでもこれだけの種類があるとは驚きです。繊維に大変こだわりを持ってるブランドだという事が解りますね!
ファイントラック ドラウト®フォースについて

ドラウト®フォースは、3つのドラウト®シリーズの中で吸汗拡散性が最も高く、3シーズン着用できる使い勝手の良いポリエステル100%のベースレイヤーとなっております。
大きな特長は、半永久的に持続する吸汗性です。本来ポリエステルは疎水性を持つ繊維であり、ほとんどのウェアが薬剤で後加工をして親水性を付与しているとのこと。これらは使っているうちに効果が落ちていくのは避けられません。
ドラウト®フォースは薬剤加工品ではなく、ポリエステル繊維そのものに親水基を形成する新技術を採用したことで、洗濯による機能の脱落がなく、吸汗性が持続します。
もうひとつの特長は、独自開発の3層ドラウト構造です。点接触構造になっている肌側の吸汗層がすばやく吸汗、毛細管現象で中央の導水層を通り抜け、外側の蒸散層が一気に汗を拡散して乾かします。
そもそもポリエステルが水を嫌う繊維だということを私は知りませんでした。同時に他社のポリエステルウェアが後加工の吸汗性だということも。ファイントラックのドラウト®フォースに出会わなければ気付かなかったことです。
商品情報
以下は公式サイトで公開しているドラウト®フォースの商品情報になります。サイズの詳細については、公式サイトをご覧ください。
アクティビティ | 登山全般 |
シーズン | 春夏秋 |
フィット感 | レギュラー |
素材 | ポリエステル100%(ドラウト®構造ニット生地) やや薄手 |
特長 | 半永久吸水 吸汗拡散 速乾 抗菌防臭 UVカット |
重量 | 105g |
種類 | ジップT(半袖)/ ジップネック(長袖) |
サイズ | women’s S/M/L/XL men’s S/M/L/XL/XXL |
カラー | 4色 |
外観
私が使用しているのは、ドラウト®フォースのジップT(Lサイズ)です。色はルビーレッド。落ち着いた赤が気に入っています。それでは外観を見て行きましょう。
※こちらのドラウトフォースは旧タイプのものになります。新タイプは2020年3月にリニューアルされて、デザインや色が変更されています。
▲ネットSHOPなどの画像では生地が厚く感じられますが、実際に触った感じは薄手で軽く、サラッとした感触です。肩周りはラグランですっきりしています。身幅は実寸で46cm(Lサイズ)です。すべて同じ生地を使用しています。
▲背面部は特にロゴなどはなく、すっきりとした印象です。着丈は実寸で62cm(Lサイズ)です。
▲えりはジップアップでチンガード付きなので、あご当たりを防いでくれます。えりの高さは3.5cmで長くないのが非常に気に入っています!えりの高さが5cmを超えるとあごに当たって邪魔なので、私はなるべく短いものが好みです。
▲ジッパーはストレスなく開閉が出来ます。ハーフジップは首回りの日焼けを防いでくれつつ、暑い時にはジッパーを降ろして調整できるのがいいですね。
▲裾部分は前と後ろは同じ長さです。裏生地は格子状になっています(3層ドラウト構造の吸汗層に当たる部分)。
▲裏地のアップ。ここで汗を吸い上げるのですね。
▲えり下内側にロゴマークと注意書きがあります。タグ類は脇を含めどこにも付いていませんので、体に当たって痛いという事がありません。透け感がわかりますか?実際は下着は透けません。
▲脇の切り替え部分。

▲いつの間にか袖部分に出来た引き攣れ。これはドラウト®フォースの唯一の欠点とも言えますが、生地が割と繊細なのです。
公式サイトにも、
軽さと機能を両立させるために繊細なニット地を採用しています。繰り返しの摩擦や面ファスナー、枝などの引っかけ、硬い物との接触により、生地に損傷が生じる恐れがありますのでご留意ください。
finetrack公式サイト
と書いてあります。
登山では、気をつけていても木の枝が引っ掛かったり、バックパックと擦れてしまったりしますので防ぎようがありません。これはちょっとマイナス部分ですね。
ドラウト®フォースのおすすめレイヤリングは?
素肌を常にドライに保つには、ベースレイヤーだけではなく、中に着るアンダーウェアの力も必要です。
登山で起こる厄介な汗冷えは、運動中にかいた汗が肌に残り、山頂の低い気温や強風によって冷やされ体温が下がってしまう現象。体温の低下は体力を奪い、エネルギー消耗に繋がります。
それを避けるためには、肌から汗を素早く遠ざけ、一気に拡散させて常に肌をドライに保つ必要があります。
アンダーウェアは溜まった汗を吸い上げ、ベースレイヤーに橋渡しをしてくれるので、是非とも着用するようにしましょう。
▲おすすめは勿論ファイントラックのL1ドライレイヤーになります。
なぜならドラウト®フォースはドライレイヤー®と組み合わせて着ることで、より機能が高まるよう計算されているからです。
L1ドライレイヤーの特長
- 独自開発の水を強力にはじく撥水設計
- 汗冷え、汗のべたつきを軽減
- 濡れても変わらない保温性
- 抗菌防臭
- 軽量化
L1ドライレイヤーのラインナップ
- ドライレイヤー®クール
- ドライレイヤー®ベーシック
- ドライレイヤー®ウォーム
ドライレイヤー®は全国の登山専門店で試着・購入が出来ます。
ドラウト®フォースの着心地
実際に、素肌にドライレイヤー®を着用し、上にドラウト®フォースを着て、比較的暑い環境下(気温26℃ 湿度68%)で低山を歩いてみました。
結果、汗による蒸れや汗冷えはほとんど感じられませんでした。もちろん汗はいっぱいかきますが、体温の激しい上昇や不快感はありませんでした。水分を上手に発散してくれているのを実感できました。
ただ、汗の量が多過ぎるとドライレイヤーが受け止めきれず、汗が背中を流れる感触はたまにありました。解決策としては、ドライレイヤーは伸縮性があるので、なるべく肌に密着するサイズを選んだほうがいいと思いました。
また、ドライレイヤー®のブラタンクトップは、カップの上下可動域が少ないので注意が必要です。私にはちょっと上過ぎるんですよね~(^^;) 購入する前に試着されることをおすすめします。
他タイプには、
- ドライレイヤー®フィットブラ
- ドライレイヤー®T
もあります。私はすべて所有していますが、ファイントラックのドライレイヤーシリーズは、アンダーバストの締め付け感が少ないので、汗をかいた時の脱ぎ着が非常に楽で気に入っています!
ドラウト®フォースの着心地に関しては、さらっとした肌触りで気持ちがよく、ストレスなく着れて、サイズ感もちょうどよかったです。
まとめ
私は今まで別メーカーのベースレイヤーを着ることが多かったのですが、今回ファイントラックのドラウト®フォースを着用してみて、とても快適に着ることが出来たので、ベースレイヤーのラインナップに加えることに決めました!
ファイントラックは日本のメーカーなので、サイズは日本人の体形に合わせてありますし、ギアに関してはリペアも受け付けているので安心です。
また、汗冷え対策にこれほど情熱を傾けているメーカーを私は知りません(笑) ドラウト®フォースだけでなく、他のウェアも着てみたくなりました。
これから暑くなる梅雨から夏にかけて、また春秋の縦走登山などに、皆さんもドラウト®フォースを試してみてはいかがでしょうか?
ここからはドライレイヤーになります。
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