登山の定番アイテムになりつつあるサコッシュ。ザックにアクセスすることなく、ちょっとした小物を収納でき、下山後やタウンでも使えてとても便利です。ここではこれからサコッシュを購入したい方、新しく新調したい方に向けて、どんなサコッシュを選べばいいのか、また、装着する際の注意点などをお伝えします。
サコッシュとは?

サコッシュ(Sacoche)とは、フランス語で肩から斜めに掛けられる小ぶりなバッグ(袋)のことを言います。もともとは自転車ロードレースの選手が補給食を入れるために使っていましたが、最近では登山でも使う人が増えてきました。シンプルな作りなので男女問わず使えて、コーディネートのアクセントにもなるので、登山で使用している人はとても多いです。
サコッシュとポーチは何が違うの?と疑問を持つ方もいるかと思います。サコッシュの特長としては、運動の邪魔にならないよう薄手で軽量なものが主流です。特に登山では、足元がよく見えるようマチが厚いものは避ける傾向があります。また、急な雨にも対応できるよう、撥水加工、防水加工された生地が多いです。
サコッシュに入れるものは、財布、スマホ、鍵、地図、行動食、虫よけスプレーなど、ザックからいちいち出すのが面倒な、頻繁に使う小物です。
サコッシュがあれば、山小屋やトイレに入る時や、下山後の食事の時などに、ザックをデポして貴重品だけを入れて行けるのでセキュリティの面でも安心です。
サコッシュ装着時の注意点

便利アイテムなサコッシュですが、安全で快適な登山をするために、装着する際には以下の点に留意しましょう。
- ストラップ調節は短めに ▶登山時においては、ストラップが長いと体から離れてブラブラしてしまい、歩行の妨げになったり、木や岩に当たって中身が破損する可能性があります。サコッシュはなるべく胸元に近い場所に密着させて使うようにするか、どうしても長くなってしまう場合は、ザックのヒップベルトで上から固定しましょう。
- あれもこれもと入れ過ぎない ▶サコッシュに多くのものを入れ過ぎると、肩こり・首こりの原因になったり、歩行時にバランスを崩しやすくなります。サコッシュ自体はそれほど大きくありませんし、マチが無いものが多いので、必要最低限のものだけを入れるようにしましょう。
- ザックに干渉しないストラップを選ぼう ▶サコッシュは通常ザックの下に装着するので、ストラップのバックルや金具などが背中側に来るとザックに押されて痛みが出ます。長さ調節金具は厚みが少ないもの、体の前側で調節できるものだとベターです。
目的別サコッシュの選び方

あなたはどのようなサコッシュをお望みですか?軽くてシンプルな小型サコッシュ、雨に対応した防水性の高いサコッシュ、こまごまとした小物を仕分けて入れられるポケットの多い大きめサコッシュなど、一口にサコッシュと言ってもいろいろなタイプがあります。登山に持って行く場合は、自分の登山スタイル(荷物の量)や、当日の山行スタイル(日帰りor遠征)に合わせてサコッシュを選ぶことが重要です。
ここでは、サコッシュの大事な選択項目である「軽量、防水、多機能」に焦点を当てて、私も使っているお気に入りのサコッシュをご紹介します。参考にして頂けると嬉しいです。
軽量でシンプルなサコッシュおすすめ
こんな方におススメ▶ 入れるものはそれほど多くなく、ウルトラライト(U.L.)を最優先したい方
Shoebill / エアーサコッシュ

Shoebillのエアーサコッシュは、肩に掛けているのを忘れるくらい軽量!重さはわずか40g(ベルトを入れると69g)。生地は防水性の高いナイロンで、ちょっとした雨でも安心です(完全防水ではありません)。日本のスポーツブランドメーカーが企画制作し、極限まで軽さを追求した、登山、ハイキング、タウンユースに最適な折りたためるサコッシュです。

本体の生地は薄手ですが、外ポケットは本体よりやや厚手の生地が使われており、外からの擦れに対応しています。ジッパーやベルクロはないので、出し入れのストレスはありませんが、中身の落下には注意が必要です。
小ぶりながらも内部はメッシュの仕切りがあり、キーチェーンも付いています。山と高原地図も入ります。便利なダブルファスナーですが、止水ジッパーではありません。ストラップは取り外し可能。
- サイズ:縦18cm×横20cm×マチ2cm
- 素材:ナイロン
- 重量:40g(ストラップ含むと69g)
- ポケット:外側1、内側1
雨に強い防水性のあるサコッシュおすすめ
こんな方におススメ▶ 雨で中身を濡らしたくない方、バッテリーやスマホを入れたいので防水性を重視したい方
PEAK HUNT / サコッシュ

PEAK HUNTのサコッシュは摩擦や切り裂きに強く、撥水性もあるコーデュラナイロンと、水の侵入を防ぐ止水ファスナーで防水性を高めているので、突然の雨でもバッテリーなどの電子機器が濡れることを防いでくれます。しかもウルトラライトな45g!PEAK HUNTは日本で開発された商品です。
外ポケットはメッシュなので、濡れたタオルやグローブの一時保管にも使えます。開口部のフチには伸縮性のあるベルト素材が使われていて、思った以上に収納力があります。ジッパーやベルクロはないので中身の落下には注意しましょう。
内ポケットの内部は仕切りがひとつあり、ベルクロでの開閉式。キーチェーンは付いていません。
- サイズ:縦17cm×横23cm
- 素材:コーデュラナイロン、ナイロン
- 重量:45g(ストラップ含まず)
- ポケット:外側1、内側1
Nruc / CADELL

日本のガレージブランドNrucのサコッシュCADELLは、防水性の高いX-PACと止水ファスナーで急な雨の侵入を防いでくれます。また、チーかまスロットポケット、ダブルコード、ハイドポケットの外付けギミックが人気です。
外側が充実している分、内側にポケットは一切なく、至ってシンプルな作りです。キーチェーンは付いています。
- サイズ:縦18cm×横23.5cm
- 素材:X-PAC(VX21)
- 重量:88g(ストラップ含む)
- ポケット:外2
NrucサコッシュCADELLのレビュー記事を上げています。興味のある方はご覧ください。
仕分けのできる機能性の高いサコッシュおすすめ
こんな方におススメ▶ 入れるものが多いので、大きめで仕切りやポケットが多いと嬉しいと言う方
GREGORY / エアロライト サコッシュ

GREGORYのAL(エアロライト)サコッシュは、軽量で耐久性に優れたナイロン素材を使用したクロスボディバッグです。サイズが大きめで、仕切りやポケットがたくさんあるので、荷物の多い方におススメです。マチはないので、厚みが大きく増すことはありませんのでご安心を。
外ポケット1は、ファスナー付きなので落としては困る大事な小物を収納するのに便利です。フチにはデイジーチェーンがあり、カラビナを付けて小物をぶら下げることが可能です。(画像のカラビナは付属していません)
外ポケット2は、スナップ式の開閉で、すぐに取り出したいものを入れておくのに便利です。
ファスナーは止水ファスナーではありませんので、雨の侵入には注意が必要です。
ファスナーの引き手が大きいので、グローブをはめたままでも開閉が容易です。
ストラップはザックを背負ったまま前側で調節できるタイプです。背中側にバックルがないのでザックと干渉しません。ストラップは取り外し可能。
- サイズ:縦21cm×横27cm×厚み2cm
- 素材:ナイロン
- 重量:120g
- ポケット:外2、内1
ハクバ / LUXXe(ラグゼ) フィールド サコッシュ

ハクバのフィールドサコッシュは、強度・軽さ・防水性を備えた高強度耐水素材X-Pac X50、YKK社製止水ファスナー、TRIMMERS社製T字プラーなどを採用した、アウトドアでタフに使えるサコッシュです。表面素材にはミルスペックの500Dコーデュラナイロンを使用し、迷彩模様はCrye Precision社が開発したMULTICUMを採用。サイズも大きめで、機能性と防水性、高級感も兼ね備えた渋好みの仕様となっています。ハクバ社は写真・撮影用品を販売する日本の老舗企業で、環境に配慮した高品質の商品が多いので安心して使えます。
内側には2分割されたメッシュポケットがあるので、カード類などを整理して収納することができます。
表生地+X-PLY(ファイバー)+裏生地という3種類の素材を貼り合わせた高性能素材は、水に弱い電子機器の収納に最適です。触った感じはハードです。
キーチェーンは付いていません。

ストラップを外してザックのショルダーストラップに固定できます。スマホや地図などの出し入れが胸元で完結!
- サイズ:縦19cm×横26cm×厚み2.5cm
- 素材:ポリエステル、ナイロン
- 重量:150g
- ポケット:外1(2気室)、内1(2気室)
まとめ

登山において小物の収納に大変便利なサコッシュ。サコッシュがあれば、いちいちザックを降ろしたり担いだりする手間が省けますよ。サコッシュを選ぶなら、基本は軽くてマチが無いものがいいでしょう。また、入れる物によっては防水性が高いものや、ポケットが多い機能性の高いものもおすすめです。あなたの登山スタイルに合わせて最適なサコッシュを探しましょう。
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