withコロナ時代の新しい宿泊登山の楽しみ方のひとつとして、山小屋には泊まらずに麓に泊まって山頂を目指す方法がこれからは選択肢に入ってくるでしょう。持ち物は山小屋と違い、ある程度緩くて大丈夫なので、グルーミングアイテムを持って行きたい登山女子にはありがたいですよね!また、麓の宿を拠点とすれば、不要な荷物を置いていくことも可能です。
先日、麓のペンションに泊まって乗鞍岳に登ってきましたので、その時の持ち物と仕分け術、パッキングのコツなどをご紹介します。
麓に泊まることのメリットとデメリット
まず、麓に泊まるメリットを考えてみますと、宿泊施設にも寄りますが概ね…
- 電源が使える(スマホ充電、ドライヤー可)
- トイレが水洗トイレ、紙が流せる
- 水が使える(歯磨き、洗顔、飲料水可)
- お風呂に入れる
- 雑魚寝から解放される
- タオル、歯ブラシセットがある
- 消灯時間がない
など、かなり自由度が高くなるでしょう。
コロナ対策として3密が防げることが最大のメリットですが、それ以外にも電源が使えることで重い充電器を持たなくていいことや、電化製品を使えることが嬉しいですね。
山小屋で不便を強いられていることが麓では必然的に回避できるので、山小屋が苦手な人にも合っているのではないでしょうか。
また、デメリットについては、
- ご来光が見れない
- 星空が見れない
- 山頂までが遠い
- 縦走には不向き
などが挙げられます。
山小屋の楽しみの一つはご来光を拝むことですから、これが見れないとなるとかなり残念ではあります。
また、山小屋(テント場)を泊まりながらの縦走は勿論できなくなりますので、登山計画時、ルートの選択肢が少なくなってしまいます。麓から登ってピストンで帰ってくるか、または他の登山口に下山するしか方法が無くなります。
以上を踏まえて考えてみると、どうしても山小屋でなければ都合が悪い場合を除き、麓に泊まることはかなり快適な宿泊登山になってきますので、私としてはおススメしたい方法です!
麓に泊まると不要なものを置いていける
麓に泊まる場合、山の上での宿泊がないので、必要のない着替えや洗面道具などを麓に置いて行くことができます。車の場合は車内に置いていけますし、その日宿泊する予定の宿で荷物を預かってもらえるかもしれません。つまり、山小屋泊より身軽に歩くことが出来るのです。
サブバッグを活用しよう

そんな時に活躍するのがサブバッグです。メインザックの他にもうひとつバッグを用意し、持っていくものと置いていくものとに分けると便利ですよ。
サブバッグの大きさは15L~20Lが使いやすいかなと思います。
私の使用しているサブバッグは、オスプレーのウルトラライトスタッフパック18Lです。こちらは別記事でレビューを上げていますので、よろしかったら参考になさってください。

今回の1泊2日登山で使ったメインザックは、グレゴリーのJUNO24です。荷物がそれほど多くなかったので、何とか収まりました。
JUNO24も別記事でレビューを上げていますので、よろしかったら参考になさってください。
その他のアタックザックのオススメ記事はこちらです。
持っていくものと置いていくものを仕分けよう

▲こちらは山に持って行く道具の例です。レインウェア、水分などの定番グッズのほか、急な天候変化が多い高山でしたら防寒着と手袋は必ず持ちましょう。夏山でも気温が10℃台だったりします。これらはメインザックに入れます。
- ウィンドブレイカー
- 日焼け止め、虫よけスプレー、ムヒ
- 水分
- 防寒着
- 手ぬぐい、マスク
- 救急セット
- 手袋
- ヘッドライト
- レインウェア
- 行動食
- トイレセット、小銭
- トレッキングポール
上記以外に、昼食(バーナー等)、シート、地図、コンパスなど、適宜持参しましょう。財布、スマホなどの貴重品はサコッシュに入れて持って行くといいですね。

▲こちらは麓に置いていく道具の例です。山頂で不要な入浴セットや着替え、洗面道具などは持って行く必要はありません。これらはサブバッグに入れます。
- サブバッグ
- 宿で食べるおやつ
- 洗面道具
- お風呂セット(下山後の日帰り入浴セットも含む)
- リラックスウェア上下
上記以外に、サンダルも置いていけますね!

▲さらに洗面道具の中身も公開してみます。宿の備品を確認して、持参しなくていいものは家に置いていけます!
歯ブラシセットは宿にあるので持っていきません。かわりに、クレンジング、洗顔料が使えるのでセットに加えました(^^)
バスタオルやドライヤーは宿にあったので助かりました。これらは山小屋では使えないアイテムなので嬉しいですね。
ちなみに、麓の宿では電気ブラシくらいならワット数が小さいので使えるかも?と思いましたが、散々迷ってやめました(^^; 麓に置いていけるとは言っても、あれもこれもはちょっと考えもの。最小限の軽量化はしたいところですね。
持って行くのはメインザックかサブバッグか?
今回、私はサブバッグに不要なものを入れておきメインザックで登りましたが、逆に、メインザックを置いていきサブバッグで登る方法もあります。
この選択、非常に悩むところなんですよね!
どちらもアリなんですが、私は以下の基準で決めています。
- 激しい雨が降っている時、行程が短い、楽な登山道の時はサブバッグで登る
- 雨が降っていない時、行程が長い、険しい登山道の時はメインザックで登る
基本的にサブバッグは背負い心地があまり良くありません。ヒップベルト、チェストベルトがなかったりするので、左右に振られることがあります。ですので、行程が短いときや、難易度が低いルートの時に限りサブバッグで登ります。
なぜ激しい雨の時にサブバッグなのかというと、以前、豪雨でメインザックを選んだ時、ザックカバーが役に立たずザック本体をずぶ濡れにしたことがあるからです。この時、ザックを乾かすのに大変苦労しました。山小屋の乾燥室は満杯で次の日までに乾かないし、そもそも麓の宿には乾燥室がないことが多いですよね。
その点、サブバッグならたとえ濡れたとしてもすぐに乾きます。中の荷物だけスタッフバッグで雨対策しておけばよいのです。
逆に、メインザックは外付けが充実していて使いやすいことと、背負い心地も良いため、行程が長く、難易度の高いルートの時はメインザックで決まりです。大きさや重さが気になるかもしれませんが、不要な荷物は置いていくので、山小屋泊よりは楽に登れるはずです。多少の雨ならザックカバーで乗り切ります!
豪雨で大変な目に遭った経験談とザックの防水対策の記事がこちら↓
パッキングのコツ
今回は、サブバッグを置いて、メインザックで登ることを前提に説明します。逆の場合は、荷物を入れ替えてくださいね。

登山口に着いたら、登山準備の時間は最小限にしたいですよね!車から降りて、すぐにメインザックからサブバッグを抜き出せるよう、メインザックの荷物の上にサブバッグを収納できるようにパッキングします。
サブバッグにはあらかじめ中身を入れておく
これ結構大事です!サブバッグはパッカブル仕様が多いので、ついついコンパクトにして持って行きたくなりますが、登山口に着いて、そこでおもむろに広げて中身を詰め込む時間は…ありません!(笑)
ですので、サブバッグにはもう中身が入っている状態で持って行くと、現地でもたつきません。

ご覧のようにメインザックの空いたところにサブバッグがすっぽり入りました。メインザックの荷物は、外付けやポケットにも分散して収納できるので、本体に入れるものはそれほど多くないのです。
注意すべき点は、サブバッグをあまりにも大きなものにしてしまうとザックに入らなくなりますので、サブバッグはなるべくかさばらないコンパクトなものを選ぶようにしましょう。
まとめ
いかがでしたか?今までの山小屋泊では、ほぼすべての持ち物を背負って登る必要がありましたが、麓に泊まれば宿泊用の持ち物は置いていくことができるので、身軽に山登りをすることが出来ます。これは非力な登山女子には嬉しい発見です!
そこで大事なのが荷物の仕分け!サブバッグを使えば簡単にできます。大きめのスタッフバッグや風呂敷(?)も活用できますが、リュック式のサブバッグなら買い物や日帰り入浴にも違和感なく使えるのでおすすめです。
ちなみに、麓の宿ではコロナ対策がしっかり実施されていて、今回泊ったペンションでも、入る前に検温、アルコール消毒があり、部屋も2人~3人部屋で、なんと宿全体を貸切にしてくださったので安心して泊ることができました!
withコロナ時代、人数制限などで山小屋になかなか泊まれない時は、選択肢のひとつとして麓の宿を使った登山を計画してみてはいかがでしょうか。
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