【マダニ】なぜ危険?咬まれた時の対処法と咬まれないための対策

健康
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気温が上がってくると、山にはいろいろな虫が出てきて嫌ですよね。私は以前、ブヨに刺されて痛い目に遭いましたが、今回はなんとマダニに咬まれてしまいました!幸い、すぐに発見できたため自力ではがすことが出来ましたが、もし発見が遅れていたらと思うとゾッとします。マダニは怖い感染症を媒介することがあり注意が必要です。ここではマダニに咬まれないためのポイントや、万が一咬まれてしまった際の対処法などをお伝えします。(マダニの画像もありますので、苦手な方はUターン推奨)

マダニの分類

マダニは、世界中に800種以上の種があり、そのうち日本には5属47種が生息しています。5属には、マダニ属、チマダニ属、キララマダニ属、カクマダニ属、コイタマダニ属がおり、大きさは比較的大きく、吸血前の成虫で1mm~5mm(幼虫は0.7mmくらい)です。

マダニ画像
吸血したフタトゲチマダニ(出典:wikipedia)

上の画像は、血を吸ってパンパンに膨れたマダニです!マダニは寄生吸血性です。幼ダニ、若ダニ、成ダニすべてのステージで1回以上吸血し、生涯で最低3回は吸血します。幼ダニ、若ダニは脱皮の為に吸血し、成ダニは繁殖のために吸血します。マダニの寿命は2~3年のようです。

マダニの多くは春から秋(3月~11月)にかけて活動が活発になります。稀に冬も活動する種もいますので、年間を通して注意が必要です。

マダニの生息場所

マダニは、シカ、イノシシ、野ウサギなどがいる環境に多く生息しています。

つまり、山の中です!

山だけでなく、民家の裏山や裏庭、畑のあぜ道、公園にもいます。登山やキャンプをしないから大丈夫と思っていてはいけません。

マダニは、草木の陰で獲物が来るのを待っています。動物が発する匂いや体温、体臭、物理的振動などに反応して、草の上などから生物の上に飛び降り吸血行為を行います。飼われている犬や猫が草むらに入り、マダニを付けてくることもありますので、ペットを飼っている方は注意が必要です。

マダニは日本全国どこにでもいます。最近は温暖化の影響もあり、その数は増えています。都市部の緑地でも発見されていますし、マダニに感染した野良猫に人が引っかかれて感染症を発症する例もあります。いつどこで咬まれても不思議ではないことを覚えておきましょう。

マダニを媒介とした怖い感染症について

マダニ属のダニは吸血の際に、様々な病原体を伝播させるベクター(媒介者)して知られています。代表的な感染症は以下の通りです。最悪の場合、死亡することもあるので注意が必要です。

日本紅斑熱(リケッチア)かゆみのない発疹や発熱などがある。この時点で病院に行けば大事には至らないが、放っておくと最終的には高熱を発し、そのまま倒れてしまうことがある。治療は点滴と抗生物質の投与。

Q熱(リケッチア)治療が遅れると死に至る上、一度でも重症化すると治っても予後は良くない。山などに行った後に、皮膚などに違和感を覚えたり、風邪のような症状を覚えたら、この病気を疑うべきである。

ライム病(スピロヘータ)ノネズミやシカ、野鳥などを保菌動物とし、マダニ科マダニ属群のマダニに媒介されるスピロヘータの一種ボレリアの感染によって引き起こされる人獣共通感染症のひとつ。

ダニ媒介性脳炎 (フラビウイルス)マダニ属のマダニが媒介するウイルス性感染症。ヨーロッパ亜型、シベリア亜型、極東亜型の3亜型に分類される。脳炎による神経症状が特徴的。東ヨーロッパやロシアで流行がみられ、日本では、北海道で2019年までに5例の国内感染例が報告されており、死亡例や重篤な後遺症が認められている。

重症熱性血小板減少症候群 SFTS(フレボウイルス)の感染により引き起こされる感染症で、本症候群に起因する死亡事例が2013年に国内で初めて発表された。症状は1週間から2週間の潜伏期間を経て発熱、嘔吐、下痢などが現れる。重症患者は、血球貪食症候群を伴って出血傾向を呈す例が多い。西日本で、これまで96人が感染して、発熱や出血などの症状を訴えた後、30人が死亡しているため、2014年2月25日、田村憲久厚生労働大臣が、「草木の多い所に入る時は、肌をなるべく出さないように」と注意を呼び掛けた。

(出典:wikipedia)

<補足>重症熱性血小板減少症候群SFTS症例の推定感染地は、西日本を中心に23府県で患者が発生しています。患者は5月~8月に多く発症しており、ウィルスの潜伏期間は、咬まれてから6日~2週間とされています。(国立感染症研究所ホームページ https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/sa/sfts.html を引用)

マダニは早期発見することがなにより肝心

マダニ

これは私に取り付いたマダニです。登山に行った夜、お風呂で腕に張り付いているのを発見しました。最初はホクロでもできたかなぁと思って指でこすってみると足が出てきました(^^; 発見が早かったので、容易に外すことが出来ました。

チャック付きパックに捕獲し観察してみると、手の大きさと比べてみてもその小ささに驚きます。大きさは1mm~1.5mm。肉眼で見えますが、よく注意して見ないと気付かないと思います。体の後ろに回られたらアウトでした。

捕獲したマダニは、しばらくの間捨てないでください。万が一、医療機関を受診することになった場合、持参すると感染症などの確定に繋がることがあります。

マダニ

スマホにマクロレンズを付けて撮影しました。拡大するとキモイですねー!(>_<) 調べてみるとどうやらフタトゲチマダニのようです。

マダニは水に浸けてもすぐには死にません。処分方法はガムテープなどにくっつけて捨てましょう。

マダニはすぐに咬みつくわけではないようです。数時間は咬みつく場所を探して体中を徘徊します。咬まれる場所で多いのは、脇の下、鼠径部、お腹などの柔らかいところです。場所が決まると、咬みながらセメント様物質を出して口器を固着します。セメント様物質は半日で硬化し、それ以降1~2週間は簡単には除去できません。そのため、なるべく早く(出来れば当日)発見することが大事です。

もし咬まれてしまったらやってはいけないこと

困ったことに、マダニに咬まれても痛くも痒くもありません。マダニは咬むと同時に麻酔物質も出すのです。私の周りでもマダニに咬まれてしまった人が何人かいますが、すぐには気付かなかったと言います。皆、数日経って何かの拍子に指先が当たったり、違和感を感じたりして気付いたと言っていました。

もし咬まれたことに気付かず数日経ってしまった場合、マダニは血を吸ってパンパンに丸くなっているでしょう。

びっくりして思わず取りたくなりますが、決して無理に剥がさないでください!!!

無理に引き抜こうとすると消化管内容の逆流が起こり、感染リスクが高まったり頭部が残ったりするので、決して自分で処置せず医療機関(皮膚科)で皮膚ごと切開してもらいましょう。麻酔をするのでそれほど怖がらなくていいようです。

マダニは、1~2週間経てば満足して自分から離れていきます。それまで待つのも手です。でも、いつまでも体に付けておきたくはないですよね~(-_-;)

すべてのマダニが感染症を引き起こすわけではありませんので、無駄に心配することはありません。もし、マダニに咬まれて数日後に発熱などの症状が現れた場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。

マダニ除去グッズおすすめ(応急処置用)

ここでは、マダニに咬まれてしまって取れないけど病院には行きたくない人のために、市販されているマダニ除去グッズをご紹介します。

これは、マダニ取りティックツイスター」というものです。フランスのものになります。

これはあくまで応急処置としてご紹介するものであり、たとえば、数日間の縦走で何日も山を下りられないとか、咬まれた場所が悪くて見せるのが恥ずかしいとか、そういった方の為のものになります!(笑)

かく言う私も思わず購入して、エマージェンシーキットに忍ばせております(^▽^;)

ティックツイスター

動物でも人間でもOK!

大小2本のスティックが同梱されており、マダニの大きさによって使い分けられるようになっています。犬猫、人どちらにも使えます。

中央に溝が掘ってあり、そこにマダニを挟んで、クルクルと回転させて取ります。マダニは上に引っ張っても取れませんが、回転させると口の構造により、簡単に外れるようですよ!

ティックツイスター

日本語解説もある

MADE IN FRANCEですが、日本語の表記もされており、使い方が分かるようになっています。

注意としては、マダニが小さすぎるとうまく挟めないようです。ある程度血を吸ってふくらんだ状態になっているほうが容易に取れるようです。

youtube動画でも紹介されていました。

マダニを寄せ付けない対策とは?

ここまではマダニに咬まれてしまった場合の対処法をお伝えしましたが、肝心なのはマダニに咬まれないことですよね!

マダニを寄せ付けないために、自分で出来る対策法をご紹介します。

マダニから身を守る服装

服装は、最初に気を遣わなくてはならないものだと思います。登山においては、以下の装備は最低限準備しておきたいです。ヤマビル対策にもなりますね。

  • 帽子
  • 手袋
  • 長袖・長ズボン(半ズボンの場合は下にサポーターを履く)
  • 襟のあるトップス(Tシャツの場合は手ぬぐい等で首元を保護)
  • 服の色は明るい色を(マダニが発見されやすい)
  • ゲーター(足からの侵入を防ぐ)

よく夏場に、素足で山の中を歩いている姿を目にしますが、大丈夫かなぁと心配になってしまいます。マダニだけではなく、ヤマビル、蚊、アブ、ブヨなどに好かれる場合も!自分の身は自分で守りましょう!

マダニから身を守る習慣

山から降りた後、家に入る前に着替えをする機会って、いつもあるとは限らないですよね。チャンスがあるとすれば、下山後の日帰り入浴ですかね。それでも荷物を減らすために同じ服やズボンを着用していたら意味がないですけどね。

悪しき習慣を断ち切るために、私は次のことを推奨したいです!

  • むやみに地べたに座らない(シートを敷こう)
  • ザックは下に置かず、自分の足の上に乗せたり両足で挟んでおく
  • 下山したら服の上から全身を手で払い、虫類がついていないかチェックする
  • 登山靴は予備の靴に履き替える
  • 下山後はなるべく日帰り入浴をし、服はすべて着替える
  • 交通手段が車の場合は、車中で着替える

私は車中で総着替えしましたが、それでもマダニに咬まれました。敵はなかなかしつこいですぞ!コロコロで車の中のチェックも必要ですね。

忌避剤を携帯しよう

忌避剤は、マダニのほか、アブや蚊などを寄せ付けないためにもザックのポケットなどに入れておくと安心です。防御対策と併せて使うと効果的です。

忌避剤成分には、ディートイカリジンがあり、私はどちらも持っていますが、出来ればイカリジンをおススメします。理由は…

  • においが少ない
  • 服の上からも使える
  • 赤ちゃんやアレルギー体質の人でも使える

からです。ディートのほうは副作用でかぶれる場合があるので、アレルギー体質の方にはおススメしません。

イカリジンでおススメなのは、フマキラーの「天使のスキンベープ」です。効果は、蚊、アブ、ブヨ、マダニの忌避で、濃度15%の高濃度製剤です。私が愛用しているものですが、最大効果8時間、ヒアルロン酸Na配合、ベビーソープの香りで使い心地が良いですよ。

まとめ

私はマダニに咬まれて、いかに自分が今まで無頓着だったかを思い知らされました。登山中はそれなりに気を付けてはいましたが、下山後のことまでは考えていませんでした。

家に帰るまでが登山ってよく言いますが、安全な登山を心がけると同時に、虫対策においても最後まで注意を払わないといけませんね。咬まれてからでは遅いです!マダニ対策、自分でできることを実行していきましょう。

今回ご紹介したグッズになります。

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