登山からの帰り、あれ?なんか足首を虫に刺されてるなぁと思っているうちに、みるみる赤く腫れあがり、激しい痒みが。それがブヨだったと気付いたのは家に帰ってから!初めてのブヨ体験だったため、応急処置が分からず対処が遅れ、腫れと痒みが長く続いて、完治するまでに2週間かかってしまいました。今回は、ブヨについての基本的な知識と、刺された時の対処法などをご紹介します。
ブヨ(ブユ)とは?
ハエ目(双翅目)カ亜目ブユ科(Simuliidae)に属する昆虫の総称で、哺乳類や鳥類から吸血する衛生害虫である。特に春から夏(3月~9月)にかけて活発に活動する。夏場は気温の低い朝夕に発生し、昼間はあまり活動しない。ただし曇りや雨など湿気が高く日射や気温が低い時は時間に関係なく活動する。成虫は渓流の近くや山中、そうした自然環境に近いキャンプ場などで多く見られる。
出典:Wikipedia
これを読むと、夏山、渓流、キャンプ場など、アウトドアで人気の場所には大抵いる!ってなりますよね。しかも、水がきれいな渓流や山中にしかいないっていうのが困りもの。登山は、もはやブヨとの共存と言っても過言ではありません。
刺されるのは朝夕!登山時以外も油断大敵
思い返せば、登山中は全く気付かなかったのです。足首はサポートタイツと靴下、長ズボンで完全防備していましたし、防虫スプレーも使っていました。だから山に登っている最中に刺されたわけではないと思います。
だとすれば、刺されたのはサポートタイツや靴下を脱いだ時しか考えられません。
そう言えば、宿泊施設(泊ったのは麓の宿)に戻り、ひと風呂浴びて素足とジャージになって、夕方、庭のベンチでビールを飲んだんだった…。その時か?
はたまた、次の日の朝、これまた素足にサンダル履きで、庭に出て写真を撮ったりしたのだった…。その時か?
どっちもブヨが出没する朝夕じゃん!(゚Д゚;)
とにかく、私がホッと一息ついている無防備な時にソイツはやってきたようです。しかも、刺された直後はブヨが注入する毒素の麻酔効果で痒みがないそうなんです。知らないうちに刺されてるのがブヨの特長です。皆さんもご注意ください!
ブヨに刺された時の症状
ブヨは蚊のように針を刺すのではなく、皮膚を顎でかんで血を吸うため、小さな赤い出血点が残り、その周囲が赤く腫れます。それはみるみる直径10cmほどにもなり、もはや蚊の類ではありません。
激しい痒みが出てきて、しかも痛い!痛痒いと言ったほうがいいかもしれません。あまりの痛痒さに足首から上に向かって痺れが出てきたほどです。
また、手を充てると赤くはれた部位は熱を持っています。毒が周囲に広がっているのが感じられます。
アレルギー体質の人は、まれに呼吸器系に影響を及ぼすことがあるので注意が必要です。それほどブヨの毒性は強いのですね。
痒みは1週間から2週間続きます。掻きむしると患部が悪化し、完治が遅くなる場合があるそうです。決して掻いてはいけません!
ブヨに刺された時の対処法
万が一、ブヨに刺されてしまった時の対処法をいくつかご紹介します。肝心なのは、すぐに対処することです。放置すると悪化したり、治りが遅くなりますのでくれぐれも刺されっぱなしにしないようにしましょう。
ポイズンリムーバーで毒出しをする
刺された直後でないと効果はありませんが、もしすぐに気づけたのならポイズンリムーバーで毒を吸い出しましょう。ポイズンリムーバーは、蜂やアブに刺された時にも使う登山では必需品のアイテムです。登山用品店やネット通販などで購入できますので、お守り代わりに持っていると安心ですよ。
ポイズンリムーバーを取り上げた記事です。参考にしてください。
もし、ポイズンリムーバーがない場合は、患部を親指と人差し指で強くつまんで毒を絞り出します。血が出なくなるまで毒を排出すれば、後の痒みがかなり和らぐでしょう。
患部を水で洗い流す
毒を吸い出せたら、清潔な水で患部を洗浄しましょう。水道水が近くにない場合は、ペットボトルの水で構いません。洗浄することで、傷口に着いた毒や細菌を洗い流すことができます。
ステロイド軟膏を塗る
虫刺されの治療は、軽い症状なら市販のかゆみ止め外用薬でいいのですが、強い痒みや赤みを伴う虫刺されには抗ヒスタミン薬や強めのステロイド軟膏が必要です。手元にそれらがない場合は、皮膚科を受診して薬を貰うのが手っ取り早いです。
私は以前、皮膚科で貰った「アンテベート軟膏」(ステロイドランク:とても強)があったので、一日3回ひたすら塗り続けたら、1週間で痒みと腫れが引きました。
買いやすい市販の軟膏では、「ムヒアルファEX」がステロイド(ランク:普通)入りでいいでしょう。ムヒアルファEXには<抗ヒスタミン成分><鎮痒薬>も入っているので痒みにも効果があります。他に「フルコートf」もステロイド(ランク:強)入りで、抗菌成分も入っていますので、化膿してしまった患部に効果があります。
ブヨやアブなどに咬まれた際の治療は、ステロイド無配合の薬では効果が足りないためおすすめしません。また、刺された部位が顔・首であったり、子供の場合は、強いステロイドは使えませんのでご注意ください。
ブヨに刺されないために注意すること
ブヨ対策は、ブヨに刺されないことが一番です。そのために出来ることをいくつかご紹介します。
肌を露出しない
肌を露出しないのは基本中の基本ですね。ブヨは、足元を狙って来ると言われていますので、素足に短パンはやめましょう。サポートタイツ、靴下、長ズボンなどは効果的です。トップスは、半袖の場合はアームカバーで肌の露出を防ぎ、首回りも手ぬぐいやバンダナなどでガードしましょう。
虫よけスプレーを使う
虫よけスプレーの代表的なものは、化学物質「ディート」が配合されたもので、商品名では「サラテクト(アース)」「スキンガード(ジョンソン)」「スキンベープ(フマキラー)」などがあります。蚊、アブ、ブヨ、ノミ、イエダニ、マダニ、コジラミ、サシバエの忌避に効果があります。但し、6か月未満の乳児には使えません。肌に直接塗るタイプで、ストッキング等ポリウレタン配合の生地には使えません。まれに、かぶれなどの副作用がでることがあります。
ほかに、2016年より化学物質「イカリジン」が配合された商品が販売されています。商品名では「スキンバルサン(レック)」「天使のスキンベープ(フマキラー)」「お肌の虫よけプレシャワー(大日本除蟲菊)」などがあります。効果のある虫は蚊・ブヨ・アブ・マダニの4種類のみですが、赤ちゃんにも使えます。ディートの副作用が心配な方や家族で使いたい方は、こちらがおすすめです。服の上からも使えます。
化学物質の副作用が心配な方、ナチュラル志向の方は、「アロマ成分配合のスプレー」がいいでしょう。ハッカ、ユーカリなどのハーブは虫が嫌う成分が含まれています。「無添加工房OKADA虫除けスプレー」は、シトロネラ、ペパーミント、ゼラニウム、レモングラスを配合した、化学物質不使用のスプレーです。赤ちゃん、小さい子供にも安心です。保育園などでも使われています。
天然成分の虫よけスプレーは、自分で簡単に作ることもできるので経済的です。ハッカ油を使った虫よけスプレーの作り方を別記事で紹介していますので参考にしてください。
まとめ
夏山では、ブヨをはじめ、アブ、蚊、蜂、マダニなど、人体に有害な虫がたくさんいます。山に入る時は事前に対策予防をして、いかに虫に刺されないかが重要です。
もし、刺されてしまっても、適切な対処法を知っていれば素早く対応できますので、悪化を防ぐことができます。
今回、私がブヨに刺されて後悔したことは、「もっと早く気付けばよかった」ことと「ポイズンリムーバーを持っていかなかった」ことです。患部の腫れをインターネットの画像で検索して、ようやくブヨに刺されたんだと分かったくらい無知でした。
今回のことを教訓にして、これから登山をする時は、必ずポイズンリムーバーとステロイド軟膏を持って行こうと心に誓いました。
「備えあれば憂いなし」です。皆さんも救急セットを必ず持って行くようにしてくださいね!
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