登山中に足がつって困る人必見!原因と対処法 つらないための予防法

足つりの原因と対処法 健康
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登山中のよくあるトラブルに足つりがありますよね。こむら返りとも言い、疲労物質がたまることで筋肉が異常に伸縮し、痛みを伴う現象です。足つりはふくらはぎだけでなく太ももや足指、足裏にも起こります。いったん痙攣してしまうと、しばらくの間停滞を余儀なくされ、一緒に歩いている仲間に迷惑を掛けてしまったり、単独だと心細くなってしまいますよね。私も何度か経験があり、そのたびに戒めと気付きをもらっています。ここでは足つりのおもな原因と、実際につってしまった際の対処法、つらないための予防法をお伝えしたいと思います。

足つりの原因

▶水分・ミネラル不足

水分補給

足がつる原因のひとつに水分が足りていないことがあげられます。特に夏場は、暑さで大量の汗をかき、水分と一緒に塩分・ミネラルなどの電解質が出てしまうことで体液が薄まり足がつりやすくなります。ここで注意してほしいのは、水分だけを補給していて電解質を摂らない事。さらに体液が薄まってしまって逆効果になってしまいます。まれに低ナトリウム血症を引き起こすこともあるので注意が必要です。

低ナトリウム血症とは、血液中のナトリウム濃度が低い状態のことです。健康な人では腎臓が尿の排泄量を調節することで、体内で一定の濃度が保たれていますが、何らかの原因で水分とナトリウム量のバランスが崩れると、体内の水分量に対してナトリウムの量が少ない状態になります。

ナトリウムは体内の浸透圧を調節したり、神経や筋肉を正しく機能させたりする役割をもっています。体内のナトリウム濃度が下がると軽い疲労感がみられはじめ、重症化するとけいれんを起こしたり、昏睡状態こんすいじょうたいに陥ったりすることもあります。

出典:Medical Note

女性はトイレ問題があって、あまり水分を摂らない人が多いです。私もあまり飲まないほうなので、結構つりやすいんですよね。発汗が多い時は少しずつこまめに飲むようにすれば、トイレもそれほど近くなりませんよ。

▶筋力不足

足つりの一番の原因はこれかもしれません。自分の登山レベルを超えて長いルートを歩いた時、ブランクがあって久しぶりに歩いた時など、自分の筋力を超えてハードな登山をした際に起こりやすいです。足つりは高齢者や初心者に多いと言われますが、年齢はあまり関係ないようです。高齢者でも頻繁に歩いている人は健脚ですし、若い人でも普段歩いていなければつることはあります。

▶冷えによる血行不良

冬に足がつる原因は冷えです。寒さで血の巡りが悪くなると血流が滞り、筋肉の柔軟性がなくなってしまうことでつりやすくなります。冬の短パン、薄手のズボンは要注意です。レインウェア、スポーツタイツなどで出来るだけ足を冷やさないようにしましょう。

足がつってしまった時の対処法

▶水分不足のつりにはスポーツドリンクで水分補給

ハイポトニック飲料

水分不足で足がつってしまった場合は、すぐに水分を補給しましょう。カルシウム、カリウム、マグネシウムなどの電解質が含まれたスポーツドリンク、できれば運動時の体液に近いハイポトニック飲料や経口補水液を飲むと、腸管へ素早く吸収されて効果的です。

ハイポトニック飲料とは、人間の体液より低い浸透圧の飲料のこと。運動中は汗などにより大量の水分が失われてしまうため、浸透圧が低く、水分を素早く補給できるハイポトニック飲料の飲用がおすすめです。ハイポトニック飲料の代表的なものは、ヴァームウォーター、アクエリアスゼロ、ポカリスウェットイオンウォーター、アサヒスーパーH2Oなどです。

ハイポトニック飲料は糖分も少ないため、アイソトニック飲料の甘さが苦手な方や、ダイエット中の方にもおすすめです。

ペットボトル入りのスポーツドリンクもいいですが、私がおすすめしたいのは軽くて携帯にも便利な粉末タイプのスポーツドリンクです。自宅で500mlの水に溶かして持って行ってもいいですし、ペットボトルの水しか売っていない山では、これがあればすぐにスポーツドリンクを作ることができます。

味の素 アミノバイタル BCAAチャージウォーターは、運動時に大切なアミノ酸(BCAA+アルギニン+グルタミン)1500mgと、運動時に不足しがちなカルシウム、カリウム、ナトリウムなどの電解質が入った、500mlの水に溶かして飲めるハイポトニック飲料です。アミノ酸は筋肉を構成するタンパク質の原料で、運動による疲労を軽減すると言われています。水分補給と同時に疲労回復もしたい方におすすめです。

大塚製薬の経口補水液OS-1は、電解質と糖質の配合バランスを考慮したハイポトニック飲料用の粉末タイプです。経口補水液OS-1は、WHO(世界保健機関)の提唱する経口補水療法の考え方に基づいた飲料で、脱水症の治療にも使われています。頻繁に足がつって困っている人は、是非一度試していただきたいと思います。

スポーツドリンクの種類について知りたい方は、こちらも合わせて読んでみてくださいね。

スポーツドリンクが苦手な方や糖分が気になる方は、水や麦茶と一緒に梅干しや茎わかめなど塩分が多いものを食べるといいですよ。

▶筋力不足のつりにはストレッチと休息

筋肉疲労が原因で足がつってしまった時は、筋肉を伸ばしてストレッチをしてみましょう。ふくらはぎなら、つった足をうしろにしてアキレス腱を伸ばします。

太ももなら、かかとをお尻につけて手で持ちながら、前後に揺らします。発作が治まったら優しくもみほぐしてマッサージをし、血流を良くします。しばらく休息して足を休めるといいでしょう。

▶それでもだめなら芍薬甘草湯を服用してみる

芍薬甘草湯

水分補給、ストレッチをしてもあまり改善しない場合、お薬に頼るのもありです。芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)は足のつりに効果が期待できる漢方です。即効性があるので登山者でお守りとして持っている人は多く、私も何度かお世話になったことがあります(本当に良く効きます!)。

芍薬甘草湯は、就寝中や運動中に足がつるときや、生理に伴う腹痛、腰痛に用いられる漢方薬です。急に筋肉がけいれんして痛む方に適しています。漢方医学では全身に栄養を運ぶ「血」という概念があります。「血」が不足すると、筋肉に栄養が行き渡らなくなり、痛みが起こると考えられています。芍薬甘草湯は、不足した「血」を補い、筋肉の過剰な緊張やけいれんを鎮めることで、足のつりや腹痛、腰痛などの痛みを改善します。

出典:ツムラ

ただ、連用すると下りで力が入らずに転倒したりする危険もありますので、服用には注意してください(1日2包)。粉薬が苦手な人は、芍薬甘草湯を主成分にした錠剤(コムレケア)、水の要らないゼリー状(ツラレスSPゼリー)の市販薬も出ていますよ。

※薬の服用については正しい用法を守り、体調が悪くなったり、効果がないと感じた場合はすぐに服用を中止してください。

足がつらないための予防法

▶トレーニングとストレッチ

筋力不足で足がつってしまう方は、マメに歩くことが何よりも大事です。日頃から2週間に1回は山を歩き、筋力を衰えさせない事。ハードな山行(縦走、重い荷物)の予定がある場合は、登山1週間前から一日30分以上のトレーニング(筋トレ)をして体を鍛えましょう。

当日、登山開始前のストレッチはやらない人も多いですが、できればやったほうが筋肉の柔軟性が高まり、足首捻挫などの怪我を予防することもできます。休憩時には、ふくらはぎ、太ももを伸ばしてストレッチをしましょう。

▶朝はしっかり食事・水分を摂る

登山の準備は朝から始まっています。朝食にごはんなどの糖質や味噌汁などの塩分、水分をしっかり摂ることで、登山中の足つりを予防することができます。朝食が摂れない場合には、ウィダーインゼリーやアミノサプリで代用しましょう。また、歩き出す前から水分を少しずつ身体に入れることで、足つりや脱水症を防ぐ効果があります。

▶足に負担を掛けない歩き方をしよう

登山

大股で歩いたり、踵を蹴って歩いたりすると、足によけいな力が入り疲労がたまります。登山の基本的な歩き方は、足に負担を掛けないフラットフィッティング。なるべく地面に足を水平に下ろすことで疲れが防げます。大きな段差では、体を横にしてカニ歩きで下ると足の筋肉へのショックを軽減できます。また、ストックを利用することで第3の足となり、足腰の負担を軽減してくれます。ふくらはぎや太ももを無駄に使わないことが足つりの予防にもなります。

まとめ

登山中に足がつってしまう原因の多くは、

  • 水分不足
  • 筋力不足
  • 冷え

などがあります。対処法としては、水分が足りていなければ水分と電解質(ミネラル)を補給。筋力不足にはふくらはぎや太もものストレッチやマッサージ。冬場の冷えにはサポートタイツなどで足を冷やさないことが大切です。また、芍薬甘草湯の服用を試してみるのもいいでしょう。足に違和感を覚えたら、早めに対処するほうが後々大事に至らなくて済みます。

足つりを予防するには、日頃からトレーニングやウォーキングをして筋肉貯金をしておくことが大事です。基本的な登山の歩き方を習得し、無駄な動きで筋肉疲労をなるべく起こさないよう心がけ、登山当日には食事や水分の摂取を積極的に行いましょう。

足つりの原因は人それぞれ。まずはなぜ足がつってしまったのかを考えて、自分に合った対処法をすることが回復の近道です。

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